東郷池(読み)トウゴウイケ

デジタル大辞泉 「東郷池」の意味・読み・例文・類語

とうごう‐いけ〔トウガウ‐〕【東郷池】

鳥取県中央北部、東伯とうはく湯梨浜ゆりはま町にある湖。天神川河口東岸、北条砂丘の裏にできた潟湖せきこ。標高0メートル、周囲12キロメートル、最大水深3.6メートル、面積4.1平方キロメートル。汽水湖富栄養湖。コイ・フナなどがとれる。東郷。形がツルに似ていることから「鶴ヶ池」ともいう。

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日本歴史地名大系 「東郷池」の解説

東郷池
とうごういけ

東郷町と羽合はわい町の間に位置する汽水湖。周囲一〇・一キロ、面積四・〇八平方キロ。なお当池の水面は境界未定のため、東郷町と羽合町の面積には含まれない。東郷湖ともよばれ、また鶴が両翼を広げたようにもみえることからつるの池ともよばれるが、近年の南岸の埋立などにより形も変わってきている。水深は二メートル内外、深い所で三メートルの潟湖で、舎人とねり川・東郷川・羽衣石うえし川・埴見はなみ川などが注ぎ込み、池北部に位置する羽合町南谷みなみだに地区から発する橋津はしづ川が北流して日本海に注ぐ。天神川の堆積作用によって日本海から隔離されて形成されたものといわれる。正嘉二年(一二五八)一一月作成の東郷庄下地中分絵図の中央に当池が描かれており、その形はかなり現状に近い。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「東郷池」の意味・わかりやすい解説

東郷池
とうごういけ

鳥取県中央部、東伯(とうはく)郡湯梨浜(ゆりはま)町の天神(てんじん)川河口東岸の北条(ほうじょう)砂丘裏にできた海跡湖。鶴ヶ池(つるがいけ)ともいう。面積4.1平方キロメートル、湖盆深度2.5メートル、透明度1.5メートルの汽水湖で富栄養湖。1258年(正嘉2)の東郷荘園(しょうえん)図に比べ、現湖面は沖積作用で狭くなっている。湖中と西岸の逆デルタ先端にははわい温泉、南岸には東郷温泉がある。近年、湖の汚染化に伴い、強風波浪時には浮上した底質黒色泥の硫化水素臭が生じる。コイ、フナ、ウナギのほかコノシロやマガレイも生息するが、海水の流入増で生態系の変化がみられる。冬季にはカモ類やホシハジロなどの水鳥も飛来する。

[岩永 實]

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改訂新版 世界大百科事典 「東郷池」の意味・わかりやすい解説

東郷池 (とうごういけ)

鳥取県中部,東伯郡湯梨浜町にある淡水の潟湖。湖の東側に溶岩台地が迫り,西側に低地がひろがる。面積4.2km2,周囲11.5km,最大水深5.2m,平均水深1.5m。北西端から橋津川が流出して日本海に注ぐ。最近水質の汚濁や湖底のへどろ化が問題となり,改善がすすめられている。湖中および湖岸から温泉が湧出し,南東岸に東郷温泉(含食塩セッコウ泉,85~94℃),西岸に羽合(はわい)温泉(含食塩セッコウ泉,50~70℃)の旅館街が建ち並ぶ。東郷池は三朝(みささ)東郷湖県立公園の一中心をなし,湖岸には公園や体育館がある。
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百科事典マイペディア 「東郷池」の意味・わかりやすい解説

東郷池【とうごういけ】

鳥取県中部の湖。面積4.05km2,最深3.6m。天神川の埋積と北条砂丘の発達により形成された潟湖で,ほぼ淡水。鎌倉期の絵図の中に現状に近い形で描かれ,漁師とみられる人物がいる。江戸時代には漁業に対して池役銀が課され,また漁業権をめぐる争いもあった。富栄養湖でフナ,シラウオワカサギドジョウなどを産し,四つ手網漁業が盛ん。湖底に温泉がわき,湖畔には東郷,羽合(はわい)温泉がある。
→関連項目東郷[町]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「東郷池」の意味・わかりやすい解説

東郷池
とうごういけ

鳥取県中部,天神川の下流東岸の流域にある潟湖。面積 4.1km2。周囲 13km。最大水深 4.6m。平均水深 2.1mの汽水湖。北条砂丘の発達と天神川の堆積作用により,かつての海が取残されて形成された。フナ,コイ,シラウオ,ワカサギ,ボラなどが生息するが,近年汚染により生態系に変化が生じている。南岸に東郷温泉,西岸に羽合温泉,北東岸には伯耆一宮の倭文神社,東岸にはハナショウブで知られるあやめ池があり,三朝東郷湖県立自然公園に属する。

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事典・日本の観光資源 「東郷池」の解説

東郷池

(鳥取県東伯郡湯梨浜町)
美しい日本のむら景観100選指定の観光名所。

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