精選版 日本国語大辞典 「柊」の意味・読み・例文・類語
ひいらぎ ひひらぎ【柊】
〘名〙
① モクセイ科の常緑小高木。本州の福島県以西、四国、九州の山地にはえ、観賞用に栽植される。高さ三~八メートル。葉は対生し、有柄。葉身は卵形ないし長楕円形で縁の上部に先が棘(とげ)状になった数個の鋸歯(きょし)がある。雌雄異株。晩秋、葉腋に芳香を放つ白い小さな鐘形花が束状につく。果実は楕円形で黒紫色に熟す。材で将棋の駒、判、そろばんの玉などを作る。漢名に当てる狗骨はセイヨウヒイラギの名。
※古事記(712)上「比比羅木(ヒヒラぎ)の其花麻豆美(そのはなまづみの)神の女」
② スズキ目ヒイラギ科の海産魚の総称。小形の魚で、味はよいが、一般に骨が硬く、一部の種を除き食用にしない。口が前下方から前上方に突出する。食道のまわりには発光バクテリアが共生して光る発光腺がある。ヒイラギ・オキヒイラギ・ヒメヒイラギなどがある。《季・秋》
③ スズキ目ヒイラギ科の海産魚の一種。全長一四センチメートルに達し、体は側扁した楕円形で、ひれの棘が鋭い。体色は白っぽく、背の縁が褐色で、頭部のうしろに大きな暗褐色の斑紋がある。あまり食用にしないが、地方によっては賞味するところもある。本州中部以南、台湾、中国の沿岸や内湾に多くすみ、川をさかのぼることもある。ぎち。ねこくわず。
④ 紋所の名。①の葉を組み合わせて図案化したもの。抱き柊、三つ柊、違い柊など。
ひらぎ【柊】
〘名〙 「ひいらぎ(柊)」の変化した語。
※塵芥(1510‐50頃)下「(ヒラキ) 杠谷樹 榕(ヒラキ) 」
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