格子(科学用語)(読み)こうし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「格子(科学用語)」の意味・わかりやすい解説

格子(科学用語)
こうし

科学の用語としては周期的構造の物体を意味する。光学波長測定に使う回折格子は、ガラスまたは金属の表面に多数の等間隔な平行線を引いたもので(1センチメートル当り1万本以上も)、一次元格子の例である。縦・横に編んだ織物金網は二次元格子の例である。糸や針金は互いに直交する必要はなく、格子の単位は、六角形でも、より複雑な形でもよい。形のそろったミカンを整然と箱に詰めたものは、三次元格子の例といえる。結晶中の原子は三次元空間に周期的に並んでいるから、みごとな三次元格子である。現実の格子は、完全に周期的ではなく、所々に格子欠陥をもっている。

 電気工学で格子(グリッド)とよぶのは、本来は三極真空管の網状電極を意味したが、今日ではその形状に関係なく、それに相当する役割の電極をさす。

[上田良二・外村 彰]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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