森銑三(読み)モリセンゾウ

デジタル大辞泉 「森銑三」の意味・読み・例文・類語

もり‐せんぞう〔‐センザウ〕【森銑三】

[1895~1985]書誌学者。愛知の生まれ。東京帝大史料編纂所勤務。近世近代人物伝記や書誌を研究、多くの埋もれた人物を発掘したことで知られる。著作に「渡辺崋山」「おらんだ正月」「西鶴西鶴本」など。

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20世紀日本人名事典 「森銑三」の解説

森 銑三
モリ センゾウ

大正・昭和期の書誌学者,随筆家



生年
明治28(1895)年9月11日

没年
昭和60(1985)年3月7日

出生地
愛知県碧海郡刈谷町(現・刈谷市)

学歴〔年〕
文部省図書館講習所〔大正15年〕卒

主な受賞名〔年〕
読売文学賞(第23回・研究翻訳部門)〔昭和46年〕「森銑三著作集」

経歴
郷里の刈谷図書館開館に伴い寄贈された国学者・村上忠順の蔵書整理・目録編纂に従事。東京大道社、代用教員、市立名古屋図書館などを経て、東京帝大史料編纂所勤務。この間、三古会、伝記学会などを創立。昭和14年尾張徳川家・蓬左文庫主任。近世の埋もれた人物の発掘、研究に力を注ぎ、在野の歴史家として「平賀源内」「渡辺崋山」「池大雅」ら多くの人物研究、伝記を手がけたが、戦災により一切の研究資料を焼失し人物研究を断念。23年古典籍商である弘文荘に入社。傍ら、25〜40年早稲田大学講師として書誌学を講じたが、その間“西鶴の浮世草子は「好色一代男」だけで他は西鶴自身の著作ではない”と論じて学界波紋をまき起こした。主著に「近世文芸史研究」「おらんだ正月」「井原西鶴」「明治東京逸聞史」などがあり、「森銑三著作集」(全12巻・別巻1 中央公論社)、「森銑三著作集続編」(全16巻・別巻1)がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

百科事典マイペディア 「森銑三」の意味・わかりやすい解説

森銑三【もりせんぞう】

近世学芸史研究家。筆名刈谷新三郎,閑々子など。愛知県生れ。文部省図書館講習所卒。刈谷図書館村上文庫の整理・目録編纂,東大史料編纂所勤務,尾張徳川家蓬左文庫主任を経て,戦後は早大で書誌学を講ずる。近世学芸史上の埋もれた人物に深い関心を抱き,博捜資料を駆使して精緻な史伝をものにする。《近世文芸史研究》《おらんだ正月》などはその成果。また西鶴浮世草子など近世文学研究に新生面を開き,《西鶴本叢考》などに結実。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「森銑三」の意味・わかりやすい解説

森銑三
もりせんぞう
(1895―1985)

近世学芸史研究家。愛知県生まれ。東京・築地の工手学校予科修了後、郷里の刈谷図書館を経て、東京帝国大学史料編纂(へんさん)所に勤め、主として近世の人物研究を志し、『渡辺崋山(かざん)』(1941)ほかの著書がある。第二次世界大戦後は井原西鶴(さいかく)研究の分野で『西鶴と西鶴本』(1955)などに独自の見解を示し、『古い雑誌から』(1956)、『明治人物夜話』(1969)、『思ひ出すことども』(1975)といった随筆類にも、その見識がうかがわれる。

[保昌正夫]

『『森銑三著作集』12巻・別巻1(1970~71・中央公論社)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「森銑三」の解説

森銑三 もり-せんぞう

1895-1985 大正-昭和時代の書誌学者。
明治28年9月11日生まれ。東京帝大史料編纂(へんさん)所,尾張(おわり)徳川家蓬左(ほうさ)文庫につとめ,戦後は早大で書誌学を講義。近世学芸史を研究し,資料を探索してうもれていた人物を発掘した。昭和60年3月7日死去。89歳。愛知県出身。文部省図書館講習所卒。著作に「おらんだ正月」「松本奎堂(けいどう)」「西鶴と西鶴本」など。

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367日誕生日大事典 「森銑三」の解説

森 銑三 (もり せんぞう)

生年月日:1895年9月11日
大正時代;昭和時代の書誌学者
1985年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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