楊谷寺(読み)ヨウコクジ

デジタル大辞泉 「楊谷寺」の意味・読み・例文・類語

ようこく‐じ〔ヤウコク‐〕【楊谷寺】

京都府長岡京市にある西山浄土宗の寺。山号は、立願山。通称柳谷やなぎだに観音大同元年(806)延鎮開山と伝える。境内に、空海が得た独鈷水とっこすいとよばれる霊水があり、病気、特に眼病治癒に霊験ありとして信仰される。

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精選版 日本国語大辞典 「楊谷寺」の意味・読み・例文・類語

ようこく‐じヤウコク‥【楊谷寺】

  1. 京都府長岡京市浄土谷柳谷にある西山浄土宗の寺。山号は立願山。大同元年(八〇六)延鎮が建てた観音堂に由来する。本堂は元祿年間(一六八八‐一七〇四再興。境内の井戸独鈷(おこうずい)は眼病に効くといわれる。柳谷寺。柳谷観音

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日本歴史地名大系 「楊谷寺」の解説

楊谷寺
ようこくじ

[現在地名]長岡京市浄土谷 柳谷

柳谷やなぎだに川の上流峡谷にあり、柳谷の集落は当寺門前の旅館などよりなる。立願山と号し、西山浄土宗。本尊千手観音立像。通称楊谷やなぎだに観音。寺伝によれば、大同元年(八〇六)京都清水寺の開祖延鎮が、生身の十一面観音を拝むため夢想によってこの地にわけいり、観音を感得して堂舎を建立したといい、空海も参籠して修行したという。延鎮を一世、空海を二世としている。本堂は江戸初期の建立で、たびたび改造されている。庫裏及び書院表門とともに府指定文化財。ほかに阿弥陀堂・護摩堂などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「楊谷寺」の意味・わかりやすい解説

楊谷寺
ようこくじ

京都府長岡京市浄土谷堂ノ谷にある西山(せいざん)浄土宗の寺。通称は柳谷(やなぎだに)観音、西清水(にしきよみず)ともいわれる。山号は立願山。806年(大同1)京都清水(きよみず)寺の開祖延鎮(えんちん)が霊夢によって感得した十一面千手千眼観音を安置したのが起源で、のち白河(しらかわ)天皇の勅願所となって栄えた。こののち兵乱で廃絶したが、志荃(しせん)、是海らによって再興された。境内にある独鈷(どっこ)水は、810年(弘仁1)乙訓(おとくに)寺在住の空海が修法で得た霊水といわれ、病気平癒の香水、とくに眼病に霊験があるとして、いまも毎月17日は信者の参拝でにぎわう。

[玉山成元]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「楊谷寺」の意味・わかりやすい解説

楊谷寺
ようこくじ

京都府長岡市西山にある浄土宗西山派の寺院。本尊は千手観音。立願寺と号し,柳谷観音と通称される。大同1 (806) 年延鎮の創建。兵乱のために荒廃したのを,慶長 19 (1614) 年に志 荃が再建し,諸堂を復興した。眼病に霊験ありとして信仰される。

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