(読み)クスノキ

デジタル大辞泉 「樟」の意味・読み・例文・類語

くす‐の‐き【×樟/×楠】

クスノキ科常緑高木。暖地に自生し、高さ約20メートルにもなり、長命。葉は卵形表面につやがある。5月ごろ、黄白色の小花を密生し、実は熟すと黒色全体に香りがあり、樟脳しょうのうをとる。クスノキ科の双子葉植物は約2500種が熱帯から暖帯に分布し、葉は主に常緑で、香りのあるものが多く、タブノキニッケイクロモジなどが含まれる。くす。

くす【×樟/×楠】

くすのき

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精選版 日本国語大辞典 「樟」の意味・読み・例文・類語

くす‐の‐き【樟・楠】

  1. 〘 名詞 〙 クスノキ科の常緑大高木。本州の関東以西、四国、九州の山地に生え、防風林庭木、記念樹などとして栽植される。しばしば大樹となり、幹の高さ約二〇メートル、径は一メートル以上にもなる。全体に芳香がある。葉は互生し、革質で表面光沢があり、長さ七~一〇センチメートルになる卵形で、三本の脈が目立つ。五月頃、葉腋(ようえき)から長い花柄を出し、白黄色の小さな鐘形花を円錐状につける。晩秋、径約八ミリメートルの暗紫色の果実を結ぶ。幹、根、葉から樟脳(しょうのう)をとる。材は虫害に強いので建築、船舶、家具材などに用い、また、什器(じゅうき)、楽器にも用いる。漢名、樟。くす。
    1. [初出の実例]「此の村に洪(おほ)き樟(くす)の樹(き)ありき」(出典豊後風土記(732‐739頃)球珠)
    2. 「楠も動くやう也蝉の声〈昌碧〉」(出典:俳諧・曠野(1689)三)

くす【樟・楠】

  1. 〘 名詞 〙くすのき(樟)
    1. [初出の実例]「眉の毛は是れ櫲樟(クス)に成る。〈略〉杉(すきのき)、及、櫲樟(クス)、此の両つの樹は、以て浮宝(うくたから)と為(す)べし」(出典:日本書紀(720)神代上(兼方本訓))

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動植物名よみかた辞典 普及版 「樟」の解説

樟 (クスノキ・クス)

学名Cinnamomum camphora
植物。クスノキ科の常緑高木,園芸植物,薬用植物

樟 (タブ)

植物。クスノキ科の常緑大高木,園芸植物,薬用植物。タブノキの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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