武宗(読み)ぶそう

精選版 日本国語大辞典 「武宗」の意味・読み・例文・類語

ぶ‐そう【武宗】

  1. 中国、唐第一五代皇帝(在位八四〇‐八四六)李炎の廟号。ウイグルの内部分裂に乗じて積極的に討伐を行なった。また、道術を尊び、大規模な廃仏を行なった。(八一四‐八四六

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「武宗」の意味・わかりやすい解説

武宗
ぶそう
(814―846)

中国、唐の第15代皇帝(在位840~846)。姓は李(り)、名は炎。穆宗(ぼくそう)の第5子で、文宗の弟。母は宣懿(せんい)皇后韋(い)氏。821年潁王(えいおう)に封ぜられ、840年文宗の死後宦官(かんがん)の魚弘志、仇(きゅう)士良によって擁立された。中央より退けられていた李徳裕(りとくゆう)が宰相に復活し、政治の実権を握った。廻鶻(かいこつ)(ウイグル)の内部分裂に乗じて積極策に転じ、廻鶻可汗(かかん)に嫁していた太和公主を帰還させることができた。帝は道士趙帰真(ちょうきしん)を重用して、845年大規模な廃仏を断行し、少数の寺院を残したほか、4600寺を壊し、僧尼26万余人を還俗(げんぞく)させた。帝は金丹(きんたん)を飲んで中毒にかかって死去した。

[布目潮渢]


武宗(明)
ぶそう

正徳帝

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改訂新版 世界大百科事典 「武宗」の意味・わかりやすい解説

武宗 (ぶそう)
Wǔ zōng
生没年:814-846

中国,の第15代皇帝。在位840-846年。穆宗の第五子,母は宣懿(せんい)皇后韋氏。兄文宗の柩前で宦官魚弘志・仇士良らに擁立された。即位すると朋党争いに敗れ鄭滑節度使となっていた李徳裕を宰相に迎え,藩鎮勢力を抑えるとともに北辺ではウイグルを討つなど治績をあげた。円仁の《入唐求法(につとうぐほう)巡礼行記》が語るとおり845年(会昌5),最大規模の廃仏を行い20余万人を還俗させたが(三武一宗の法難),翌年薬中毒により倒れ,宣宗が即位して仏教は再興された。
執筆者:


武宗(明) (ぶそう)
Wǔ zōng

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「武宗」の意味・わかりやすい解説

武宗[元]
ぶそう[げん]
Wu-zong; Wu-tsung

[生]至元18(1281)
[没]至大4(1311)
中国,元の第3代皇帝 (在位 1307~11) 。諱は海山。諡は仁恵宣孝皇帝。世祖フビライ・ハンの孫順宗タルマバラ (荅剌麻八剌) の第2子。大徳3 (1299) 年以来北辺の治安にあたり,ハイドゥ (海都)の乱の討伐に殊勲を立て,成宗没後,北方領主派の協力でアナンダ (阿難荅) 擁立をはかるモンゴル宮廷官僚派を押えて即位。即位後,諸王への賜与の増大とラマ教寺院増築などで財政難となり,交鈔 (紙幣) を乱発したため,インフレーションを招き,その防止に至大銀鈔を発行し,通貨切下げを行なったが失敗した。

武宗[唐]
ぶそう[とう]
Wu-zong; Wu-tsung

[生]元和9(814)
[没]会昌6(846)
中国,唐の第 15代皇帝 (在位 840~846) 。姓は李てん,のち炎。諡は至道昭粛皇帝。第 12代穆宗 (ぼくそう) の第5子。母は宣懿 (せんい) 皇太后韋氏。皇太子陳王李成美をさしおいて,宦官張弘志,仇士良らに擁立されて即位。北方のウイグル族を討つことに成功する一方,内政面では,道教を信仰し,仏教をはじめ,景教マニ教祆教を弾圧して「会昌の廃仏」として著名な事件を起し,寺院 4600を廃棄し,26万人余の僧尼を還俗させた。

武宗[明]
ぶそう[みん]

正徳帝」のページをご覧ください。

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旺文社世界史事典 三訂版 「武宗」の解説

武宗(唐)
ぶそう

814ごろ〜846 
唐の第15代皇帝(在位840〜846)
宦官 (かんがん) によって擁立された。性質が粗暴で遊楽を好み,道教を信仰し,845(会昌5)年に「会昌の廃仏」といわれる仏教大弾圧を行った。ほとんどの仏寺を廃し,僧尼を還俗 (げんぞく) させ,寺田を没収した。道士の調合した不老長生の薬をのみ,命を縮めたという。

武宗(元)
ぶそう

ハイシャン

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世界大百科事典(旧版)内の武宗の言及

【正徳帝】より

…在位1505‐21年。姓は朱,名は厚照,廟号は武宗,年号により正徳帝とよばれる。第10代孝宗の長子で,暗愚ではなかったが,少年時代から奇行が多く,放縦逸楽の生活に終始した。…

※「武宗」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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