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ていDi; Ti

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


てい
Di; Ti

中国の五胡十六国時代に活躍したチベット系の部族。古くから渭 (い) 水上流地方から嘉陵江上流地方にかけて散在していたが,西晋 (→) の勢力が衰えると,楊氏,苻氏などの豪族が台頭した。五胡十六国のなかの前秦後涼は 氐族の建てた国である。隋代から民族としての独立を失った。その生活様式は農耕遊牧とを兼ねたもの。

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世界大百科事典 第2版の解説

てい【氐 Dī】

前2世紀ごろより中国の甘粛,陝西から四川省の山谷に散居していたチベット・ビルマ語系の民族。〈西戎(せいじゆう)〉の一つ。早くから中国人と接触して中国語によく通じ,宗教の面でも五斗米道(ごとべいどう)の影響を強く受けた。3世紀ごろから楊氏,呂氏,苻氏などの豪族が台頭し,五胡十六国時代には,漢(李特),前(苻健),後(呂光)を建国した。また仇池(甘粛省成県)には楊氏が割拠して王号を称し,南北朝時代にも両朝に内属と離反を繰り返したが,506年北魏に滅ぼされた。

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大辞林 第三版の解説

てい【氐】

二十八宿の一。東方の星宿。氐宿。ともぼし。
紀元前二~紀元後六世紀に中国の北西部を中心に活動したチベット系民族。五胡の一。五胡十六国時代に苻氏が前秦を、呂氏が後涼を建国した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


てい

中国古代、甘粛(かんしゅく)省南部から陝西(せんせい)省南部にかけて(中心は武都、略陽)多くの部族に分かれて分布したチベット系の半農半牧の少数民族。五胡(こ)の一つ。紀元前111年に前漢の武帝が族を攻撃して武都郡を設置して以降、中国の郡県に包含され支配されたが、その屈辱的差別的扱いに対し、しばしば反抗して民族自立の動きを示した。紀元後3世紀になると斉(せい)氏、楊(よう)氏、苻(ふ)氏などの有力氏族が現れ、296年には斉万年(まんねん)が抑圧された関中地方の少数民族を糾合して晋(しん)王朝に反し、皇帝と称した。この反乱は3年後に鎮圧されるが、4世紀初頭、五胡十六国時代に突入すると、少数民族の自立運動が活性化し、族も351年には苻健(ふけん)が長安で前秦(ぜんしん)を建国し、甥(おい)の苻堅は376年に華北を一時統一した。また、西域(せいいき)遠征の帰途涼(りょう)州にとどまって386年に後涼を建国した呂光(りょこう)族の出身である。[佐藤智水]

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世界大百科事典内のの言及

【雲南[省]】より

…秦・漢では雲南をはじめ貴州・四川西南地域の夜郎や昆明などの部族を〈西南夷〉とよんだ。《史記》西南夷伝には,彼らはみな氐(てい)の類だとあるが,氐のほか百越,百僕の族群が考えられる。漢の武帝はこの地域に益州郡を設け,ほかに牂牁(しようか)郡,犍為(けんい)郡,越嶲(えつすい)郡をおいた。…

【五胡十六国】より

…4世紀初頭より約1世紀半,中国華北に分立興亡した国家群,あるいはその時代をいう。主権者の多くは五胡すなわち匈奴(きようど)・羯(けつ)(匈奴の一種)・鮮卑(せんぴ)(東胡系)・(てい)(チベット系)・(きよう)(チベット系)の非漢族で,これまでの漢族による中国統治の流れを大きく変えた時代である。また牧畜・狩猟民族と農耕社会との接触が深まり,それが政権の形成にまで発展した,文化史上特色ある時代である。…

【チベット】より

…このうちのヒマラヤ山脈沿いの南縁とその北東に伸びた延長線上の南北に走る渓谷,および青海以南の四川省西縁の土地に住する民族がチベット人である。漢文史料で〈氐(てい)〉とか〈羌(きよう)〉と呼ばれていたものが古い時代のチベット系民族であるともされるが,確かではない。隋の時代にその存在が漢土に伝えられ,唐代に〈吐蕃(とばん)〉と呼ばれたのは,このチベット人が建てた最初の統一王国であった。…

※「氐」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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