水の媒介によって花粉の移動が行われ,受粉する花。主として水草である。水中で開花するものと,水面で開花するものがある。
沈水植物では水中で受粉する場合(hypohydrogamy)が多く,キンギョモでは雄花が水中で開花すると花粉が水中を拡散し,近くの雌花のめしべの柱頭に受粉する。イバラモなどでは雄花が水面近くにあり,開花すると花粉がしだいに水中を沈んでいき,水底近くに開花している雌花に受粉する。セキショウモやカナダモの場合には水面で受粉が行われる(epihydrogamy)。これらの花は水の表面近くで開花し,花粉囊が破れると花粉はすぐ近くの水面近くに開花している雌花に達する。水生植物でも,ヒルムシロの仲間のように風媒のものもあるし,マツモの場合は風と水の両者によって花粉の移動が媒介される。水媒は種子植物が水中生活に適応するようになって生じた受粉の形式で,特殊な事例である。
執筆者:岩槻 邦男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…その様式には,水媒,風媒,動物媒などがあり,種子植物の多様化にはその様式がたいせつな意味をもっている。水媒花は花粉が水によって媒介されるもので,水生植物にふつうにみられ,水中で受粉するものと,水上で受粉するものがある。風媒花は花粉が空気中を浮遊して媒介されるもので,一般に花被をもたないか,もっていても目だたないものが多い。…
…エンドウやイチゴで知られているように,花が開く前にすでに受粉が終わっていることもあるが,普通は開花した後になんらかの方法で花粉が柱頭まで運ばれて受粉する。その方法には昆虫(虫媒花),鳥,コウモリなどの動物によるものと,風(風媒花)や水(水媒花)の無生物によるものに二大別される。前者では,昆虫などを誘うために美しい花が多く,においを出したり,蜜腺(スイカズラ),花盤(ミカン),腺体(ヤナギ)をもち,みつを分泌しているものも多い(図4)。…
※「水媒花」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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