六訂版 家庭医学大全科 「水痘、帯状疱疹」の解説
水痘(みずぼうそう)、帯状疱疹
すいとう(みずぼうそう)、たいじょうほうしん
Varicella (Chickenpox), Herpes zoster
(子どもの病気)
どんな病気か
原因は何か
ヘルペスウイルスの仲間の水痘・帯状疱疹ウイルス(みずぼうそうウイルス)が原因です。唾液あるいは水疱の内容液から
症状の現れ方
①水痘(みずぼうそう)
突然38~39℃の発熱があり、半日~1日くらい遅れて発疹が現れます。発疹はかゆみを伴う
②帯状疱疹
水痘の2分の1~4分の1程度の大きさの小水疱を伴う丘疹が、背、胸、腹、四肢、あるいは顔などの片側に帯状に集まって出ます。成人では発疹の部位に痛みを伴うことが多いのですが、小児では一般に痛みがありません。白血病などの治療中や免疫不全があると水疱が大きく重症になり、水痘と同様、全身性に出現することもあります。
検査と診断
症状が特徴的なので、診断は容易です。診断が困難な場合には水疱の内容液からウイルスを検出します。
区別すべき病気は、単純ヘルペス、
治療の方法
水痘は自然に治る病気ですが、抗ウイルス薬(アシクロビル・バラシクロビル)が有効で、発疹数の軽減、発熱期間の短縮が認められます。問題になる副作用はほとんどありませんが、3日以内に開始しないと効果が下がります。ただ、安易に使用すると薬の効かない
かゆみに対しては抗ヒスタミン薬を内服します。フェノール
帯状疱疹に対しては、バラシクロビル(バルトレックス)あるいはアシクロビル(ゾビラックス)内服、ビダラビン軟膏の塗布、疼痛の強い場合は神経ブロックも行います。
病気に気づいたらどうする
健康な子どもは心配することはありませんが、診察時間内に小児科を受診します。白血病の治療中、副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制薬を服用中の子どもでは命取りになることがあるので、すぐに小児科を受診してください。
周囲への感染を防ぐために、すべての皮疹がかさぶたになるまで登園・登校は禁止です。定期接種には入っていませんが、水痘ウイルス生ワクチンは感染予防効果が高いので、元気な時に予防接種をしておくのがよいでしょう。
脇口 宏
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報