(読み)オ

デジタル大辞泉 「汚」の意味・読み・例文・類語

お【汚】[漢字項目]

常用漢字] [音](ヲ)(漢) [訓]けがす けがれる けがらわしい よごす よごれる きたない
よごす。よごれる。きたない。「汚水汚染汚濁汚物汚穢おわい・おあい
行為評判などをけがす。けがれる。「汚職汚辱汚点汚名汚吏

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精選版 日本国語大辞典 「汚」の意味・読み・例文・類語

きたな【汚・穢】

  1. [ 1 ] ( 形容詞「きたない」の語幹 ) きたないこと。感動的表現に用いることが多い。
    1. [初出の実例]「不浄なる物をきたなといへる如何」(出典:名語記(1275)八)
    2. 「ヤア伯父様其餠食たか。ヱヱきたな。北野を過て柏野や」(出典:浄瑠璃・伽羅先代萩(1785)三)
  2. [ 2 ] 〘 造語要素 〙 名詞の上について、そのものがきたないことを表わす。「きたないろ」「きたなぐち」「きたなざいく」など。
    1. [初出の実例]「汚(キタ)洋服で夫婦二人前で八十三銭位の洋服を買って」(出典:落語・王子の幇間(1889)〈三代目三遊亭円遊〉)

よごし【汚】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「よごす(汚)」の連用形名詞化 )
  2. よごすこと。また、よごれること。多く他の名詞の下に付けて用いる。「口よごし」「面(つら)よごし」など。
    1. [初出の実例]「三頓の棒とは、三処で二十棒づつ打てくれうづれども、棒よごしな程に放ぞ」(出典:寛永十年刊本無門関鈔(17C前)上)
  3. あえものをいう、女房詞。よごしもの。
    1. [初出の実例]「よこし あへ物の事」(出典:女中言葉(1712))

よごれ【汚】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「よごれる(汚)」の連用形の名詞化 )
  2. よごれること。きたなくなること。また、よごれたあと。けがれ。汚染。
    1. [初出の実例]「据風呂もしゃんしゃん懸湯取って加減見て、旅のよごれの暁は七つ立か八つ立か」(出典:浄瑠璃・丹波与作待夜の小室節(1707頃)中)
  3. 月経。月のさわり。けがれ。

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普及版 字通 「汚」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

(異体字)
6画

[字音] オ(ヲ)・ウ・ワ
[字訓] けがれる・よごす・きたない・ひくい

[説文解字]

[字形] 形声
正字はに作り、于(う)声。于は曲刀の象。ゆるくまがる、くぼむなどの意がある。はくぼんだ水だまりで、泥にけがれるところ。〔説文〕十一上に「(けが)るるなり。一に曰く、小池をと爲す。一に曰く、(ぬ)るなり」と三義を列する。(わい)は雑草の茂る意で、汚泥の汚が字の本義である。

[訓義]
1. けがれる、けがす、よごす。
2. ひくい、水だまり。
3. けがらわしい、きたない、いやしい。
4. 土をぬりこむ、ぬる。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕汚 久保(くぼ)、、久保加尓(くぼかに)〔名義抄〕汚 ケガル・ケガス 〔字鏡集〕汚 ケガス・ニゴル・ニゴリミヅ・タマリミヅ・オホミヅ・フカシ・クボム・アラフ・シボル・ソム・ヌル・ワヅラフ

[語系]
汚a、oa、oeは声義近く、くぼみゆがんだもの、また穢・iuatも声義通じ、けがれる意がある。

[熟語]
汚穢・汚悪・汚下汚壑・汚君・汚垢・汚溝・汚行・汚邪・汚辱・汚世・汚染・汚俗・汚損・汚沢・汚濁・汚池・汚泥・汚点・汚塗・汚汚卑汚附・汚汚慢・汚名・汚・汚・汚乱・汚吏・汚隆・汚劣・汚潦・汚尊
[下接語]
穢汚・姦汚・愚汚・垢汚・臭汚・辱汚・塵汚・沾汚・泥汚・点汚・貪汚・卑汚・誣汚

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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