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油単 ゆたん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

油単
ゆたん

箪笥,長持などの諸道具のおおいに用いる萌黄唐草の布で,定紋などを染め抜いたもの。平安時代には室内で器物の下に敷いた油引き一重布帛や,紙の敷物のことを油単と称した。塵やよごれよけ,日よけ,装飾を兼ねて,箪笥のおおいに使われている。のちに旅行用の雨具風呂敷としても用いた。

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デジタル大辞泉の解説

ゆ‐たん【油単】

ひとえの布や紙に油をしみ込ませたもの。湿気や汚れを防ぐため、調度や器物の覆いまたは敷物・風呂敷などに用いた。
たんす・長持(ながもち)などを覆う布。ふつう、木綿で作られ、定紋や唐草などを染め出したもの。

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大辞林 第三版の解説

ゆた【油単】

ゆたん(油単) 」に同じ。 「あたらしき-なれば/枕草子 一一三・能因本

ゆたん【油単】

湿気や汚れを防ぐための簞笥たんすや長持ながもちなどのおおい。ひとえの布または紙に油をひいたもので、風呂敷としたり、敷物などにも用いた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

油単
ゆたん

器物にかけて、湿気や汚れを防ぐ布製の覆い。もとは雨にぬれるのを防ぐために、単(ひとえ)の布の覆いに油を引いて製したものであったため、この名でよばれている。唐櫃(からびつ)、長持、たんすなどにかけられる油を引いていないものも油単といわれ、紺色、萌黄(もえぎ)色、浅葱(あさぎ)色などの地色に定紋や松竹梅、唐草などの文様を白で表した染物が多く使われた。また、輿(こし)や牛車(ぎっしゃ)などに用いられ、雨水を防ぐ雨皮(あまかわ)といわれる覆いも油単に類するものである。[高田倭男]

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世界大百科事典内の油単の言及

【油紙】より

…桐油(とうゆ)紙ともいい,西の内紙,美濃紙など厚手の純日本紙に,まずカキ渋を塗って乾燥し,その上に桐油または荏油(えのあぶら)を何回も塗って乾燥したじょうぶな防水紙。これを表にして裏に薄布を合わせた防水衣を桐油合羽(とうゆがつぱ)と名づけて古くから外出着に用い,ただ厚紙のみのものは油単(ゆたん)と呼ばれて荷物の雨覆いに用い,雨傘には必ず用いられた。また雨よけの障子に張って油障子と呼び,現に歌舞伎の舞台に見る《吉例寿曾我》対面場のしとみ障子,《鬼一法眼三略巻》菊畑の花壇の覆いなどがそれである。…

【雨具】より

…また白絹に油を引いた雨衣(あまぎぬ)は,中世の貴族たちが装束の上から着け,修験者は油紙製の雨皮(あまかわ)を用いた。雨皮は油単(ゆたん)とも呼ばれ,牛車や輿にも掛けられた。16世紀にポルトガルからカパが入り,ラシャ,木綿の合羽や和紙に桐油を塗った紙合羽が用いられた。…

※「油単」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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