国王の社参があり、「琉球国由来記」などでは七社(波上・天久・識名・末吉・沖・普天間・金武)の筆頭に記載される。崇禎六年(一六三三)火災に遭って灰燼に帰したが(「球陽」附巻尚豊王一三年条)、三像は護国寺に遷座してあったので難を逃れたという。同八年に祝部の天願筑登之親雲上権明(唐名は康仁寿)が高応寺の頼慶に随行して薩摩に赴き、権現神像を請来して波上山に奉安した。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
沖縄県那覇市に鎮座。伊弉冉(いざなみ)尊と相殿(あいどの)に速玉男(はやたまお)尊,事解男(ことさかお)尊をまつる。創始は不詳。社伝によれば,昔,崎山の人が漁のとき霊石を得て,これを神託によりまつったと伝える。しかし,古くより熊野信仰の浄土的な見方があり,東シナ海の彼方を望む隆起石灰岩の断崖の上の現在地に,熊野権現の拝所として社殿を建ててまつっていたと考えられている。琉球八社の第1位で,1890年には官幣小社に列格し,別当寺の波上山護国寺を分離,施設も整備されたが,太平洋戦争末期の戦闘で社殿,宝物などすべてを焼失。1953年本殿,社務所を再建した。例祭は5月17日,神幸祭や奉納沖縄角力もある。
執筆者:宝来 正彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
沖縄県那覇(なは)市若狭(わかさ)に鎮座。祭神は伊弉冉尊(いざなみのみこと)・速玉男尊(はやたまおのみこと)・事解男尊(ことさかおのみこと)の熊野三神。沖縄には官社とよばれて琉球(りゅうきゅう)王・尚(しょう)王家から特別の扱いを受けてきた琉球八社があり、波上宮はその最上位にある。旧官幣小社。社殿は海岸に突き出たサンゴ礁の上にある。社伝によれば、漁師が海浜で霊石を得て、豊漁の霊験があったので波上に安置したところ日本熊野権現(ごんげん)との神託があったので王家に奏請し、同社が創建されたという。1629年(寛永6)社殿は炎上、1641年尚豊王により再建された。例祭は5月17日。沖縄相撲(すもう)、空手などの奉納があり、にぎわう。
[飯尾直樹]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新