海部川(読み)カイフガワ

デジタル大辞泉 「海部川」の意味・読み・例文・類語

かいふ‐がわ〔‐がは〕【海部川】

徳島県南部を流れる川。高知県との県境にある湯桶丸ゆとうまる(標高1372メートル)の東に源を発して北東流し、その後南流に変わり海部海陽かいよう町の奥浦で太平洋に注ぐ。長さ36キロ。上流部は年間降雨量3000ミリメートルで、全国有数の多雨地帯。森林資源に恵まれ海部林業地帯になっている。源流から河口までの距離が短く標高差も1300メートルあるため急流で水質がよい。支流はは川に国の天然記念物指定オオウナギの生息地がある。

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日本歴史地名大系 「海部川」の解説

海部川
かいふがわ

海部郡西部の海南かいなん町・海部町域を流れ、太平洋に注ぐ。二級河川。延長三六・三二七キロ、流域面積一五四・六平方キロで、流域の八三パーセントを海南町が占める。源流は高知県境の貧田ひんでん(一〇一八・五メートル)の北側とされるが、木頭きとう村境の湯桶ゆとう(一三七二メートル)東の地点から流れる榎木屋谷えのきやだに川はこれより二―三キロほど長い。海南町平井の大比ひらいのおおびで榎木屋谷川を合せた海部川は東北東に流れたあと、同町小川の皆之瀬おがわのかいのせで流れを南に転じて、同町神野こうのまで横谷をなし、下流は海南・海部両町の境となって海に注ぐ。

中世には流域は最勝金剛さいしようこんごう(現京都市東山区)領の海部郷に含まれていた可能性があり、河口部の海部では文安二年(一四四五)当時、兵庫北関(現神戸市兵庫区)に頻繁に榑・材木を回漕していたことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「海部川」の意味・わかりやすい解説

海部川
かいふがわ

徳島県南部を流れる川。高知県境の貧田丸(ひんでんまる)(1018メートル)付近に発して東流して海陽町皆ノ瀬(かいのせ)から方向を南に転じ海陽町の奥浦で太平洋に注ぐ。延長36.3キロメートル。流域面積154.6平方キロメートル。流域は中生界の四万十(しまんと)帯からなる海部山地で、中流と上流に段丘が発達し、集落や耕地が立地する。中流以下には谷底平野が開け、河口付近には浜堤列(ひんていれつ)や砂丘が発達する。上流は森林資源に恵まれ、海部林業地帯をなす。支流の王余魚谷(かれいだに)川の轟(とどろき)ノ滝は俗に轟九十九滝といわれ、同川にかかる大小の滝の総称。本滝も轟ノ滝(別名王余魚滝)とよばれ、落下約60メートル。行者の滝でもあり、11月の轟神社例祭には滝入りがある。

[高木秀樹]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「海部川」の意味・わかりやすい解説

海部川
かいふがわ

徳島県南部の川。安芸山地に源を発して海陽町の町域を流れる。かつては筏流しが盛んであった。河口に鞆奥 (ともおく) の港がある。支流の母川オオウナギの生息地で,国の天然記念物に指定。上流域は中部山渓県立自然公園に属し,日本百滝の一つに選ばれた轟滝などの景勝地がある。

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事典・日本の観光資源 「海部川」の解説

海部川

(徳島県海部郡海陽町)
とくしま水紀行50選」指定の観光名所。

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