ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
渡辺綱
わたなべのつな
[没]万寿1(1024)
平安時代中期の武士。源頼光の四天王の一人。嵯峨源氏の出で摂津国渡辺に住んだ。武勇伝説の主人公の一人で,謡曲『羅生門』では羅生門の鬼の片腕を切り落し,御伽草子『酒呑童子』では頼光とともに大江山の鬼退治に加わっている。
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(朧谷寿)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
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平安中期の武将。嵯峨(さが)源氏に属す源宛(あつる)の子。源満仲(みつなか)の女婿(じょせい)敦の養子となる。養母が摂津国渡辺(大阪市)に居住したので渡辺家をとなえた。源頼光(よりみつ)の郎等として活躍する契機は、頼光も摂津国に本居を構えたことによるか。坂田金時(さかたのきんとき)、平貞道(さだみち)、平季武(すえたけ)らとともに四天王の1人に数えられ、主君頼光に従って酒呑童子(しゅてんどうじ)や鬼同丸(きどうまる)を退治した話や、一条戻橋(もどりばし)で鬼婆の腕を切った話をもって驍勇(ぎょうゆう)で通った。しかし、これらの話は説話的要素が強く真実性は薄い。渡辺党の祖となった。
[朧谷 寿]
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
…作詞河竹黙阿弥,作曲3世杵屋(きねや)正次郎,振付初世花柳寿輔ほか。配役は茨木童子を5世尾上菊五郎,渡辺綱を初世市川左団次。1870年(明治3)杵屋勘五郎作曲の《綱館》に基づいて作られた松羽目物であるが,能・狂言の作品からの移入でない点が珍しい。…
…人形浄瑠璃,歌舞伎狂言,歌舞伎舞踊の一系統。史書というより小説に近い軍記《前太平記》41巻(1681ころ)に背景や登場人物(〈世界〉)を求める〈前太平記物〉は,源頼光とその四天王(渡辺綱,坂田金(公)時,碓氷貞光(うすいのさだみつ),卜部季武(うらべのすえたけ)の4人の家来)の武勇伝と,反逆者平将門の遺児相馬太郎良門,滝夜叉の復讐や藤原純友の残党伊賀寿太郎らの反逆を素材にしたものとに大別できる。このうち,四天王物は前者を題材とした作品群である。…
…【松尾 聿朗】
[つめの文化史]
古代英語詩《ベーオウルフ》には,怪物グレンデルの腕をベーオウルフが切り落として高い屋根に掲げておくくだりで,そのつめは鋼鉄のようだったと述べている。腕を切られて死んだグレンデルの復讐(ふくしゆう)のために母親が城館を襲う筋書は,《太平記》や能《羅生門》の渡辺綱(わたなべのつな)による鬼退治の話に通ずるものがあるが,渡辺綱は名刀鬼切を用いて〈毛ノ黒ク生(おい)タル手ノ,指三(みつ)有テ爪ノ鉤(かがまり)タルヲ,二ノ腕ヨリカケズ切テゾ落シケル〉という(《太平記》巻三十二)。鬼,怪物,悪魔がかぎづめをもつと考えるのは,食肉獣の印象と霊長類の体形とを重ね合わせた結果である。…
…摂津渡辺を本拠とする中世武士団。源頼光四天王の一人として有名な嵯峨源氏渡辺綱(わたなべのつな)を始祖とする。綱は武蔵国箕田の生れであるが,仁明源氏源敦(源満仲の婿)の養子となり,その縁で満仲の息頼光に仕えたという。…
※「渡辺綱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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