究竟(読み)くきょう(英語表記)uttara

  • ▽究×竟
  • きゅうきょう
  • きゅうきょう キウキャウ
  • きゅうきょう〔キウキヤウ〕
  • くきょう ‥キャウ
  • くきょう〔キヤウ〕
  • くっきょう
  • くっきょう ‥キャウ
  • くっきょう〔キヤウ〕
  • 究×竟

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

仏教用語。「より高い」のから,究極を意味する。また,「事物を徹底的にきわめる」の意にも用いられる。また「絶対」の意。

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デジタル大辞泉の解説

物事をきわめた、最高のところ。究極。くきょう。くっきょう。「究竟の目標」
つまるところ。結局。
仏語。物事の最後に行きつくところ。無上。終極。
極めてすぐれていること。また、そのもの。
「主従三騎―の逸物(いちもつ)どもにて」〈平治・中〉
極めて都合がよいこと。あつらえむき。くっきょう。
「卒爾(そつじ)の用にも叶ひて―の事にてあるなり」〈後鳥羽院御口伝
《「くきょう」の促音添加》
[名・形動]
きわめて力の強いこと。すぐれていること。また、そのさま。屈強。
「跡に残ったのは―の若者ばかりである」〈鴎外阿部一族
たいへん好都合であること。また、そのさま。あつらえむき。
「私のようなものにとってはまことに―な世界であった」〈中勘助銀の匙
[副](スル) つまるところ。結局。畢竟(ひっきょう)。
「―するに善悪正邪の区別は」〈透谷内部生命論

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大辞林 第三版の解説

スル
物事をそのきわみまで突き詰めること。また、そのきわみ。究極。くっきょう。 -の目的 其効を生ぜし所以を-する/民約論
は呉音
絶対で最上であること。
最後に到達する所。究極。 天に生ずる事得て-解脱せむ/今昔 7
きわめて優れていること。最上。くっきょう。 主従三騎-の逸物どもにて/平治
くきょうの促音添加
名 ・形動 [文] ナリ 
きわめてすぐれていること。すぐれて強いこと。また、そのさま。屈強。 -の弓の上手どもが矢先を揃へて/平家 4
たいへん好都合な・こと(さま)。 手古摺てこずつた関係から逃げるには這般こんな-な事はない/復活 魯庵
スル
つまるところ。結局。きゅうきょう。 -するに

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① (形動) 事をきわめて、極に達したところ。最高であること。また、そのさま。くきょう。
※新札往来(1367)上「源氏書籍者、紫明抄・水源抄。伊勢物語註者、経信卿知顕抄。究物候」
※春と修羅(1924)〈宮沢賢治〉オホーツク挽歌「究竟(キウキャウ)の幸福にいたらないなら」
② (副詞的に用いる) つまるところ。結局。畢竟(ひっきょう)
※春城随筆(1926)〈市島春城〉趣味談叢「の目的は一掬の涼味を買はんとするに在り、涼味は水に在り、渠等は究竟水を買ひに行く也」 〔通俗編‐語辞・究竟〕
〘名〙 (「く」は「究」の呉音)
① (形動) 仏語。物事の究極に達すること、また、達した所。終極。くっきょう。
※法華義疏(7C前)一「為是究竟法者、問吾所証尽無生二智、為究竟、未究竟
※三帖和讚(1248‐60頃)高僧「究竟せること虚空にして、広大にして辺際なし」
② (形動) 力や技術、技量などが非常にすぐれていること。くっきょう。
※金刀比羅本平治(1220頃か)中「主従三騎くきゃうの逸物どもにて」
③ (形動) 非常につごうが良いこと。絶好の機会。くっきょう。
※後鳥羽院御口伝(1212‐27頃)「卒爾の用にも叶ひて、究竟の事にてあるなり」
※百座法談(1110)六月二六日「三身円満し、究竟妙覚のくらひにかなひ給へる」
[語誌](1)「究極」とほぼ同義であるが、梵語の uttara の訳として用いられたため、①のように仏教で最終至高の地位、境地を指すようになった。それが、「平家物語」などの軍記物語や「吾妻鏡」で、②のように武芸の優れている意、さらに城や牛が頑丈である意にも転用されるようになった。
(2)本来は「くきゃう」という呉音読みを正しいものと認識していたようであるが、軍記物語などでは強調表現として「くっきゃう」と促音化したものも多く見られる。そのため後には「屈竟」と書くようにもなる。
〘名〙 (「くきょう」の変化した語)
① 物事のせんじつめたところ。完全な域。究極の境地。つまるところ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
② (形動) 武勇の力が強いこと。きわめて頑丈なこと。また、きわめてすぐれていること。
※平家(13C前)七「もとより究竟(クッキャウ)〈高良本ルビ〉の城也」
※浮世草子・けいせい伝受紙子(1710)四「在所しれなば究竟(クッキャウ)の者共をつかはし」
③ (形動) たいへんつごうのよいこと。あつらえ向き。
※太平記(14C後)二六「すはや究竟(クッキャウ)の事こそ有けれ。師直・師泰を讒し失はんずる事は、此の僧にまさる人非じと」
※浮世草子・けいせい伝受紙子(1710)四「金子廿両の預り手形。是究竟(クッキャウ)の物と悦び」

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