温帯気候のうち、主として冬が乾期で夏に雨が多い気候。温暖冬季少雨気候ともいう。ケッペンの気候区分でのCw気候で、代表的な地域として中国南西部にみられる。この気候地域は地中海性気候と同じく農産物の種類が多く、南方ではタバコ、ワタ、トウモロコシ、小麦、大麦、エンバク、ジャガイモなどが栽培される。海岸からの距離や地形の変化などにより、気候の地域差が大きい地域でもある。中国大陸のほか、インド北部、エチオピア高原、南アフリカの台地、メキシコ高原、ブラジル高原南部、オーストラリア北東部などに広く分布する。一部を除き人口密度はそれほど高くはないが、古くから文化の栄えた所も含んでいる。
[小林 望・福岡義隆]
明瞭な四季の違いがあり温暖湿潤な温帯気候を,降水量の年間配分によって細区分した気候の一つで,温帯冬季乾燥気候あるいは温暖冬季少雨気候とも称する。年降水量は1000~2000mmの範囲であるが,夏から秋にかけては熱帯低気圧が発達した台風(東南アジア各地)やサイクロン(インドなど)が多量の雨をもたらすこともある。この発達した熱帯低気圧が暴風をもたらすが,夏季海洋からのモンスーン(季節風)が吹き,一般的に風は強い。植生としては,シイ,カシ,クスなどの常緑広葉樹や照葉樹が分布し,土壌は赤色土,黄色土などである。乾季と雨季の違い,あるいは冬の暖かさを利用して,米とか茶,サトウキビ,トウモロコシ,綿花,小麦などの栽培が行われている。米の二期作も華南や台湾,トンキンなどでみられる。このように農業にとって最適な気候であり,人間が生活を営むのに非常に適しているので,人口密度が高い地域である。
執筆者:福岡 義隆
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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