湯原村
ゆばるむら
[現在地名]若宮町湯原・三ヶ畑
下村の南西、犬鳴川の上流域右岸に位置する。湯原山（三八四・二メートル）を境に村の南東部は犬鳴川支流八木山川上流部の山間地で、北西部は犬鳴川沿いの平坦地が広がる。南東は穂波郡建花寺村（現飯塚市）、南は同郡八木山村（現同上）、南西は表粕屋郡萩尾村・篠栗村（現篠栗町）。枝郷に五郎畑村・中畑村（南部）、谷村（北部）があり（「続風土記」など）、うち五郎畑村・中畑村は元禄国絵図・天保郷帳などでは当村枝郷と注記されて高付されている。慶長七年（一六〇二）の検地高五六四石余、うち大豆四七石余（慶長石高帳）。元禄五年（一六九二）には高五八〇石余・反別四五町七反余、家数一一五・寺一、人数六七〇（田圃志）。
湯原村
ゆのはらむら
[現在地名]七ヶ宿町 湯原・峠田・干蒲・稲子
蔵王連峰の南西部に位置し、北に蓬沢山、西に仙王岳と標高九〇〇メートル級の山々が迫り、集落はこれらを水源とする白石川の上流域に立地。同川沿いに七ヶ宿街道が通り、西一キロの追分に「右はもがみ海道」「左は米沢海道」と刻まれた庚申塔が建つ。右すなわち北は金山峠を越えて上山（現山形県上山市）、左すなわち西は二井宿峠（新宿峠）を経て高畠（現同県東置賜郡高畠町）に至る。当村は仙台藩領の最南西端にある。天文七年（一五三八）の段銭古帳の出羽国置賜郡屋代庄（現山形県東置賜郡など）のうちに「四貫文 ゆの原」とあり、「此内御中館ひけ」と注される。これより先南北朝期末に伊達宗遠・政宗父子が屋代峠（二井宿峠）を越えて同郡長井庄（現長井市周辺）に侵攻したが、この時以来山中通（七ヶ宿街道）は伊達氏の勢力下に入ったものと思われる。
湯原村
ゆのはるむら
[現在地名]直入町長湯 湯原・芋ノ迫・田床・山脇・老野・鑰小野
現直入町の南部、芹川の中流域に位置し、同川河畔に湯原温泉がある。正保郷帳に村名がみえ、田高六六石余・畑高六一石余、朽網郷に属し、水損がち。旧高旧領取調帳では高二七四石余。江戸時代初め鶴田組に属したが、寛文一一年（一六七一）当村庄屋甲斐市兵衛倅の八左衛門が千石庄屋に任じられ、湯原組と改称、以降同組の中心村であった（「湯原組大庄屋覚書」甲斐家文書）。
湯原村
ゆはらむら
[現在地名]臼田町大字湯原
東には片貝川が流れて平地が広がっている。西方からは北八ヶ岳の裾が台地性の山並となって迫り、滝川が狭い谷平地をつくって片貝川に注いでいる。村は西・南・北を山に囲まれ、東に開けた袋状の小盆地で、西方滝川上流の湯原新田は山間の小村であるが別に一村をなし、滝川の谷の出口には枝郷滝がある。東は下小田切村、南は中小田切村・上小田切村、北は臼田村に接し、西は前山村（現佐久市）ほか四二ヵ村入会原野に境している。
湯原村
ゆのはらむら
[現在地名]下郷町湯野上
小野村の南、阿賀川左岸の河岸段丘上に立地。北端で大沢川が阿賀川に合流する。村名は阿賀川河原から湯が湧出したことに由来するといい、現在湯野上温泉がある。湯野原とも記す。阿賀川東岸に端村の館本があり、村名は館跡があったことに由来するという。川向・館本・橋詰などの遺跡から縄文時代・弥生時代の土器が出土する。中世は長江庄に含まれ、建武元年（一三三四）八月二八日の後醍醐天皇綸旨（皆川文書）に「長江庄南山内古々布郷・湯原郷」とみえ、長沼秀行に両郷地頭職が与えられている。
湯原村
ゆばらむら
[現在地名]水上町湯原
小日向村の北西、利根川右岸に位置。西は阿能川村で、そこから流れる阿能川が当村を横断して利根川に入る。清水峠越往還が通る。寛文郷帳では田方一二石余・畑方八七石余、沼田藩領。寛文三年（一六六三）真田領村高書上控では高四五二石余。宝永元年（一七〇四）沼田領村々石高書上では高九四石余、反別は田方三町余・畑方二六町九反余。江戸後期の御改革組合村高帳では家数四八、幕府領。明治一〇年（一八七七）頃の戸数五五（うち社四・寺一）・人数二一八、牝馬四一。生業は農・桑業四六戸、農隙商をする者二三戸、銃猟業四人（以上男子）、養蚕従事六六人（以上女子）で、繭五二石、乾柿を産した（郡村誌）。
湯原村
ゆはるむら
[現在地名]真玉町西真玉 湯原
徳六村の南東、真玉川左岸に立地する。地内に温泉が湧出、延文期（一三五六―六一）に整備されたと伝え、江戸時代には浴室などの修築が行われている。小倉藩元和人畜改帳に村名がみえ、高一二〇石余で、家数一五のうち本百姓・小百姓八、隠居・名子・庭屋・牛屋七、人数男一九（うち名子二）・女一三、牛四・馬二。正保郷帳では真玉庄に属し、田高六二石余・畑高六八石余、茅山有、新田有と記す。元禄郷帳では高一五三石余。享保二年（一七一七）の延岡藩領知目録写（牧野家文書）に村名がみえ、延享四年（一七四七）の延岡藩領郷村高帳（内藤家文書）では高一四二石余、新田一二石余。
湯原村
ゆはらむら
[現在地名]若桜町湯原
長砂村の北東、舂米川沿いに位置し、ユノハラ・ユワラともよんだ。枝郷に加羅尾がある。元禄一四年（一七〇一）の変地其外相改目録（県立博物館蔵）に正保国絵図・正保郷帳には湯野原村と載せたが、元禄国絵図・元禄郷帳作成時に湯原村に改めたとある。拝領高は九〇石余、本免五ツ九分。享保一九年（一七三四）の鈴木孫三郎所持本「因幡誌」によると高一三〇石、竈数二〇余。「因幡志」では家数二七、産土神は十二社権現。物産は蓑・莨
。同書に「昔当所に温泉あり、湯原と号するも其故也、其跡今に水ぬるし、蓑草これに浸す故他村の製に異りて蓑毛和らかにしてよしと云へり」とあり、また里諺に昔温泉が盛んに出たが、長砂城主が水上に温泉があると下流の水が濁り、衛生上好ましくないという理由で湯池をすべて潰したと伝えると記している。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
