(読み)カス

デジタル大辞泉 「滓」の意味・読み・例文・類語

かす【×滓/×糟/×粕】

[名]
液体をこしたあとに残ったり、液体を入れた容器の底に沈殿したりしたもの。おり。
よい所、必要な部分を取り去ったあとの残り。「食べ―」
役に立たないつまらないもの。最も下等なもの。くず。「人間の―」
(糟・粕)酒のもろみかもし、酒汁をこしたあとに残るもの。酒かす。
[接頭]
名詞に付いて、取るに足りない、粗末な、の意を表す。「―烏帽子
人を表す語に付いて、ののしる気持ちを表す。「―侍」「―野郎
[類語]ごみ粉塵黄塵砂塵後塵塵埃綿埃煤埃塵芥ちりあくた塵芥じんかい藻屑がらくたスクラップ生ごみ紙屑おが屑食べ滓茶殻

し【滓】[漢字項目]

[音]シ(呉)(漢) サイ(慣) [訓]かす
かす。おり。「鉱滓こうさい・こうし渣滓さし残滓ざんし・ざんさい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「滓」の読み・字形・画数・意味


13画

[字音]
[字訓] おり・にごる・かす

[説文解字]

[字形] 形声
声符は宰(さい)。〔説文〕十一上に「澱(どろ)なり」とあり、水底に沈澱(ちんでん)した泥などをいう。宰の声は(し)に近く、には黒の意がある。〔釈名、釈采帛〕に「泥のを滓と曰ふ」とあり、〔説文〕緇字条十三上に、黒色の帛(きれ)をいうとする。滓・・緇は、声義の通ずる字である。

[訓義]
1. おり、水底の沈澱物。
2. にごる、にごり、けがれ。
3. くろい、くろくけがれたもの。
4. かす、汁をのぞいた残り。

[古辞書の訓]
名義抄〕滓 カス・シタム・ヨド・シル・アタラシ・ケガル 〔字鏡集〕滓 ヨド・カス・シル・トドム・ケガル・カスシル・コマヤカナリ・シタム・アタラシ

[語系]
滓・(滋)tziは同声。みな黒の意がある。緇tzhiも声近く、同系の語であろう。

[熟語]
滓韻滓盂滓汚滓淤滓垢滓濁滓泥滓澱滓秕滓方滓累滓穢
[下接語]
査滓・酒滓汁滓・潤滓・塵滓・清滓・澄滓・泥滓・銅滓

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【スラグ】より

…溶融金属製錬における原料中の不純物成分と,目的金属等からのその不純物成分の分離を助けるために加えたフラックス(媒溶剤成分)とからなる液相の総称。のろ,滓(さい)とも呼ばれる。また非鉄製錬の場合は鍰(からみ),とくに粗金属等を製造する過程で発生するものは鉱滓(こうさい)という。…

※「滓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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