日本大百科全書(ニッポニカ) 「瀬高」の意味・わかりやすい解説
瀬高
せたか
福岡県南西部、山門郡(やまとぐん)にあった旧町名(瀬高町(まち))。現在はみやま市の北部を占める。旧瀬高町は1901年(明治34)上(かみ)瀬高、下(しも)瀬高の2町(ともに1889年町制施行)が合併して改称。1907年本郷(ほんごう)、小川(おがわ)、川沿(かわぞい)の3村と緑(みどり)村の一部、1956年(昭和31)東山(ひがしやま)村と合併。2007年(平成19)、山川(やまかわ)町、三池(みいけ)郡高田(たかた)町と合併、市制施行してみやま市となった。旧瀬高町域の北東部には丘陵性山地が分布するが、大部分は矢部川中流左岸の沖積低地で、南部にはクリーク網が発達している。JR鹿児島本線、国道209号・443号が通じるが、旧国鉄佐賀線はバスに転換。河港、宿場町として発達、主産業は農業で、米作を中心に、ナス、セロリなどの野菜産地としても有名で、酒、瓦(かわら)、漬物の生産も盛んである。国指定名勝の本坊庭園をもつ古刹(こさつ)清水寺(きよみずでら)や、同史跡女山神籠石(ぞやまこうごいし)、同天然記念物の船小屋ゲンジボタル発生地(ふなごやげんじぼたるはっせいち)と新舟小屋のクスノキ林など名所・旧跡が多く、大江天満神社(おおえてんまんじんじゃ)の「幸若舞(こうわかまい)」は日本最古の舞楽として国の重要無形民俗文化財に指定されている。
[石黒正紀]
『『瀬高町誌』(1974・瀬高町)』