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神籠石 こうごいし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

神籠石
こうごいし

西日本にある古代の山城の一種。現在 12ヵ所に発見されている。すべて,山腹尾根よりやや下ったところに,長さ 1m内外の切り石を密接して並べ,その上に版築土塁を築いて城壁としている。通常数ヵ所のを取込んでいるが,その谷の部分は石塁とし,通水口や,城門の施設を設ける。その築造は7世紀頃といわれ,外敵の侵入に対抗するためのものとされている。

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デジタル大辞泉の解説

こうご‐いし〔かうご‐〕【神籠石】

広い範囲を、切り石を築いた石垣で区画した山城の古代遺跡。北部九州地方に多い。朝鮮半島古代山城の遺跡に似る。

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百科事典マイペディアの解説

神籠石【こうごいし】

神護石とも書く。古代の山城。福岡・佐賀・山口・岡山・香川に13ヵ所分布する。福岡県久留米市御井町高良山山腹の列石が山頂の式内社をとり囲んでいることからこの名がある。
→関連項目高良大社佐賀[市]山城瀬高[町]朝鮮式山城前原[市]大和[町]行橋[市]

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世界大百科事典 第2版の解説

こうごいし【神籠石】

福岡県久留米市高良大社をめぐる切石列石を古く神籠石と呼んでおり,九州から瀬戸内一帯にみられる山をめぐる列石遺跡をこの名で呼ぶようになった。高良大社のそれから神域を示す施設との説もあったが,近年の調査で列石の上部には版築の城壁が築かれていることがわかり,古代山城施設であることが明らかとなった。列石列が,高い所では山頂を取り巻くように,山脚の近くではいくつかの小さな谷を取り込んで斜面に斜めに築かれる九州型と,列石列が山頂を鉢巻状にめぐる瀬戸内型がみられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

神籠石
こうごいし

古代の列石遺構。その名称は福岡県久留米(くるめ)市高良山(こうらさん)の中腹付近に、全山の約3分の1を取り巻くように長方形の切石(きりいし)列が巡ることからおこり、のち類似の遺構をも称することになった。明治・大正のころは「こうごせき」ともよばれ、山の中腹に式内社高良大社があることから、列石で神域を画定したとなす聖域説と、古代城塞(じょうさい)説とが対立し学界をにぎわせたが、いまでは城塞の一種とみられている。また一説では、列石の形が皮籠(かわご)に似ていることから、神籠に擬したともいう。
 佐賀県武雄(たけお)市おつぼ山(やま)では、低い丘(標高66メートル)の中腹や丘裾(すそ)を巡って、密に接した切石列石を2、3段に積み、その上部に土塁を築く。それらの前面にはほぼ等間隔に柱穴列や礎石列の並ぶものがある。丘の鞍部(あんぶ)には内側と外側に列石を並べ、上部には版築(はんちく)による土塁を築く。谷口には石垣列と暗渠(あんきょ)水門を設け、全体に7~8世紀の朝鮮式古代山城(やまじろ)に似る。
 神籠石は、現在、前記2か所をはじめ、佐賀県帯隈山(おぶくまやま)、福岡県の女山(ぞやま)、把木(はき)、雷山(らいざん)、御所ヶ谷(ごしょがたに)、鹿毛馬(かげのま)、山口県石城山(いわきさん)、愛媛県永尾山(えいのおやま)、岡山県の鬼城(きのじょう)、大廻小廻山(おおめぐりこめぐりやま)のほかに、類似した構造をもつ香川県城山(きやま)を含めると13か所が知られている。これらの築造目的は文献記録にもなく年代も明らかでない。一説には朝鮮式古代山城に先行する6世紀代の城塞説や、7世紀または8世紀の城塞説などまちまちで、いまだに定説をみない。[乙益重隆]

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世界大百科事典内の神籠石の言及

【磐座・磐境】より

…磐境は,例えば奈良県三輪山,兵庫県保倉神社のように磐石に囲まれた自然の磐境,また要所に巨石をたてて磐境とする例がある。従前,論争を呼んだ九州を中心とする神籠石(こうごいし)は,磐境と関連するものではなく,古代山城の遺構である。【水野 正好】。…

【山城】より

…これを朝鮮式山城と呼びならわしてきたが,その内容は一様ではない。大きくは,百済滅亡後,新羅・唐連合軍の進攻にそなえて660年代に築かれた大野城から高安(たかやす)城にいたる一連の城(いわゆる天智築城の城)と,それ以前の築城と考えられる神籠石(こうごいし)とに分けられる。天智の築城は,百済の遺臣の指導により,防御正面に急峻な地形をとり,背後に谷の出口をもつ大規模なもので,城内に多数の兵舎や倉庫群をもっている。…

【大和[町]】より

…石城山の山頂近くに鎮座する石城神社は式内社で,本殿は重要文化財。八合目付近を中心に2500m余にわたる列石遺跡(神籠石(こうごいし))があり,古代山城の施設とみられ,石城山神籠石として国の史跡に指定されている。近くには奇兵隊の屯営跡地もある。…

※「神籠石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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