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災害派遣 さいがいはけん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

災害派遣
さいがいはけん

天災地変その他の災害に際して,人命または財産の保護のために行なわれる自衛隊の派遣。災害出動ともいう。都道府県知事などの要請に基づいて防衛大臣が派遣することを原則とするが,特に緊急を要する場合は要請を待たずして部隊等を派遣することができる(自衛隊法83)。これと類似した制度に,地震防災派遣,原子力災害派遣の制度がある。1995年の兵庫県南部地震に際しては 101日間で延べ約 225万4700人が派遣されるとともに,車両 34万台,航空機 1万3000機,艦艇 680隻が投入された。2011年の東北地方太平洋沖地震の派遣規模は 174日間で延べ約 1058万人に及び,予備自衛官,即応予備自衛官も動員された。派遣部隊は,人命救助,遺体収容,物資輸送,被災者への水・食糧の供給等の任にあたった。また福島第一原子力発電所事故に際し,原子力災害対策特別措置法の制定後初めて原子力災害派遣が実施された。(→災害派遣医療チーム

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デジタル大辞泉の解説

さいがい‐はけん【災害派遣】

震災・洪水・大雪などの災害の救援自衛隊を派遣すること。通常は都道府県知事の要請による。自衛隊法第83条に規定。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

災害派遣
さいがいはけん

天災地変その他の災害が発生し、人命や財産に被害がおよんでいるとき、あるいは損害を被ろうとしているとき、防衛大臣またはその指定する者の判断により、自衛隊の部隊などを救護救援のために派遣すること。自衛隊法(昭和29年法律第165号)第83条に基づく。災害派遣は以下の三つのケースに大別される。(1)災害が発生し、知事などからの要請を受けた場合の災害派遣、(2)緊急を要し、知事などからの要請を待たずに部隊などを派遣する自主派遣、(3)人命や財産に被害が発生しようとしているとき、知事などからの要請を受けた予防派遣。さらに、これらの派遣の判断には、(1)公共の秩序を維持するため、人命や財産の社会的な保護の必要性(公共性)、(2)災害の状況に応じた緊急性、(3)自衛隊の対処が必要な非代替性、以上3要件を満たしているかどうかが検討される。また、通常の災害派遣のほか、防衛省施設付近の火災などに対応する近傍派遣、地震防災派遣、原子力災害派遣とよばれるものがある。自衛隊の派遣を要請できる者は、都道府県知事、海上保安庁長官、管区海上保安本部長、空港事務所長であり、市町村の場合は、特別な理由がなければ都道府県知事へ派遣を要請する。
 災害派遣は、人命や財産を保護する応急の救援活動と、その後の応急復旧までの範囲で行われるのが一般的である。撤収は要請権者と調整し、予定した作業の完了、民心の安定、復興機運の確立などを確認したうえで実施される。派遣部隊の活動によって生じる費用は、その内容に応じて都道府県と自衛隊が負担している。
 2011年(平成23)3月11日に発生した東日本大震災では、原子力災害派遣が終結した2011年12月26日までの間、延べ1066万人の隊員が派遣された。また、東日本大震災の教訓から、警察庁は大規模災害発生時に被災地などで避難や救出活動、検視、治安維持などに広く活動する警察災害派遣隊を2012年5月に設置した。[編集部]

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