デジタル大辞泉
「熱い」の意味・読み・例文・類語
あつ・い【熱い】
[形][文]あつ・し[ク]
1 温度が著しく高く感じられる。「―・いお茶」「からだ中が―・くなる」⇔冷たい。
2 感情が高まった状態である。
㋐恋する相手に夢中になるさま。また、深く愛し合うさま。「憧れの人に―・い眼差しをそそぐ」「お―・い仲」
㋑感情が激しく燃え上がるさま。「―・くなって論じ合う」「―・いものがこみあげる」「目頭が―・くなる」
㋒熱心である。熱意がある。「届け、―・い声援」「仕事への―・い思い」
㋓程度がはなはだしい。「水面下で―・い争いを展開する」
㋔好調である。また、人々が関心を寄せる。「ご当地メニューが―・い」「IT業界が―・い」
3 (「身があつい」の形で)せっぱ詰まって困るさま。
「必ず用心さっしゃれ、身が―・ければどのような事せうも知れぬ」〈浄・生玉心中〉
[派生]あつがる[動ラ五]あつげ[形動]あつさ[名]
[類語]熱熱・火照る・ホット
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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あつ・い【熱・暑】
- 〘 形容詞口語形活用 〙
[ 文語形 ]あつ・し 〘 形容詞ク活用 〙 - [ 一 ] 外気や物・身体の温度が著しく高く感じられる。
- ① ( 熱 ) 物体や液体、また気体など、体の一部で感じるときの物の温度が、自分の体温よりも著しく高く感じられる。熱気を感じる。⇔冷たい。
- [初出の実例]「あつき火の中に住まふここちして」(出典:宇津保物語(970‐999頃)嵯峨院)
- ② ( 暑 ) 気温など、体全体で感じる外気の温度が、人間の肉体に苦痛を覚えさせるほどに高い。暑気を感じる。《 季語・夏 》⇔寒い。
- [初出の実例]「風はいみじう吹けども、木蔭なければ、いとあつし」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
- ③ 体温が平熱を超えて高い。病気でからだが熱っぽい。
- [初出の実例]「御ぐしも痛く身もあつき心ちして、いと苦しくまどはれ給へば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)
- [ 二 ] ( 熱 ) 心が高ぶって身内が熱くなるさま。興奮して前後を忘れるさまをいう。
- ① 怒りに逆上するさま。→熱くなる①。
- ② 男女が恋し合って夢中なさま。→熱くなる②。
- ③ ( 「身があつい」の形で ) 窮地に陥るさま。せっぱつまって困るさま。苦しい。
- [初出の実例]「身があつければどのよな事しやうも知(し)れぬ」(出典:浄瑠璃・生玉心中(1715か)上)
- ④ 物事に熱中するさま。情熱のはげしいさま。感動や感激などの度合がはげしいさま。
- [初出の実例]「やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君」(出典:みだれ髪(1901)〈与謝野晶子〉臙脂紫)
熱いの語誌
温度感覚を表わす形容詞は、上代では「あつし」「さむし」「ぬるし」「すずし」の四語による体系をなしている。中古になって温暖系に「あたたか」、寒冷系に「ひややか」が現われ、「あつし」「ぬるし」、「さむし」「すずし」のそれぞれの中間の温度感覚を表わして使われるようになり、一時六語による使い分けとなるが、中古半ばに「つめたし」が現われて複雑化していく。
熱いの派生語
あつ‐が・る- 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
熱いの派生語
あつ‐げ- 〘 形容動詞ナリ活用 〙
熱いの派生語
あつげ‐さ- 〘 名詞 〙
熱いの派生語
あつ‐さ- 〘 名詞 〙
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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