帰(返)り咲きともいう。植物の開花は種によって一定の季節に定まっているが,これは日長その他の条件によって支配されている。それらの条件が乱されると,種特有の季節と異なった時に花を咲かせることがある。咲く時期が極限されているものほど,狂い咲きは顕著であり,秋にサクラが咲いたりすると世間をにぎわすことになる。開花の時期の決定は,花芽の形成を誘導する機構と,開花するまでの諸条件を満たし続ける環境によるが,狂い咲きのみられるのが,植物個体のごく一部分や,特定の個体だけのことが多いことから,一定の環境条件が与えられても,個体の条件などによって,必ずしもつねに花芽形成・展開・開花にいたる道程が完成されるとは限らないといえそうである。
執筆者:岩槻 邦男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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