中国、明(みん)代の思想家。字(あざな)は汝中(じょちゅう)、竜渓(りゅうけい)と号す。浙江(せっこう)省山陰の人。20代で王陽明(ようめい)(守仁(しゅじん))に師事した。銭徳洪(せんとくこう)(緒山(しょざん))とともに陽明の代講も務めた。陽明の死後、小官につくが、偽学の謗(そし)りを受けて退く。以後、陽明学の普及に努め、80歳にしてなお各地を巡遊した。その思想は、陽明晩年の思想を継承し、儒仏道三教一致を説く宗教的境地に至る。現実の人間をありのままに肯定する現成良知論をとり、心の本来の姿が善も悪もないものであるなら、そこから発する人間の営為すべては無善無悪である、と説く。陽明学派の正統を任じる銭徳洪の学統に対して、人間の欲望の肯定と、形式化した儒教規律を否定する王学左派に道を開いた。『王竜渓先生全集』(1588)がある。
[杉山寛行 2016年2月17日]
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…その際,(1)実存する人間の現姿,(2)個人の自立と社会活動の関係,をいかに把握するか,換言すれば,王守仁の(1)良知の自己実現による個人の自立,(2)万物一体の仁,真誠惻怛(そくだつ)の愛に促されて教化安養し大同社会を建設すること,この2点が論争主題であった。 さて王守仁直伝の高弟には,王艮(おうこん),王畿,欧陽崇一(南野),銭徳洪(緒山),鄒守益(東廓),羅洪先(念奄),聶豹(じようひよう)(双江)がいる。このうち王艮・王畿の二王は良知心学の本質をより徹底化した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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