白道(読み)ビャクドウ

デジタル大辞泉 「白道」の意味・読み・例文・類語

びゃく‐どう〔‐ダウ〕【白道】

二河白道にがびゃくどう

はく‐どう〔‐ダウ〕【白道】

天球上での月の軌道黄道に対して約5度9分傾いている。

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精選版 日本国語大辞典 「白道」の意味・読み・例文・類語

はく‐どう‥ダウ【白道】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 白い道
    1. [初出の実例]「蘗山近接兎道里、一条白道片時程」(出典:六如庵詩鈔‐二編(1797)五・暮春与伴蒿蹊春蘭洲遊兎道)
    2. [その他の文献]〔李商隠‐無題詩〕
  3. 地球を巡る月の軌道を地心から見て天球上に投影した大円。黄道と平均五度九分の角度で傾斜し、二点で交わる。
    1. [初出の実例]「月の運行の路は九道あり。共に白道と名く」(出典:管蠡秘言(1777))
    2. [その他の文献]〔漢書‐天文志〕

びゃく‐どう‥ダウ【白道】

  1. 〘 名詞 〙 仏語二河白道(にがびゃくどう)比喩で説かれる、火の川と水の川との中間にあって、迷いの此岸から悟りの彼岸である浄土に至る狭い道のこと。衆生のむさぼりと怒りの煩悩の中に生ずる往生を願う清浄な心のたとえ。→二河白道
    1. [初出の実例]「中路の白道(びゃくだう)せまけれど、おくりむかふる指南あり」(出典:浄業和讚(995‐1335)下)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「白道」の意味・わかりやすい解説

白道
はくどう

月が地球の周りを公転することにより天球上を動く道をいう。月の軌道面は黄道面に対し約5度傾いているので、白道も黄道に対し同じ角度だけ傾いて見える。この傾斜角は、太陽などの摂動により、およそ5度0分角から5度18分角まで変化する(平均は5度7分47.41秒角とされているちなみに1度は円周の360分の1、1分は1度の60分の1、1秒は1分の60分の1の角度である)。一方、白道と黄道との交点は、同じく月の運動に対する太陽などの摂動により、すこしずつ西へ動き(逆行)、恒星界に対して天球を6793.477日(約18.6年)の周期で1周する。

[大脇直明]

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改訂新版 世界大百科事典 「白道」の意味・わかりやすい解説

白道 (はくどう)
moon’s path

天球上で月の動きを示す軌道。地球の中心から見て,この軌道は黄道と約5.°9傾いていて,黄道と白道の交点である昇交点は約18.6年で黄道を一周してもとにもどる。月は白道上をまわり,太陽は黄道上をまわるので,日月食はその交点付近で起こる。地球上から見た月の運動は,地球の中心に対する観測者の位置による視差が加わるが,その大きさは最大57′である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「白道」の意味・わかりやすい解説

白道
はくどう
moon's path

天球上を月が動く軌道。黄道と平均において5°8′43.43″傾き,黄道との交点は東から西に移動し,約 18.6年で天球上を一周する。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「白道」の解説

白道 びゃくどう

幡随意(ばんずいい)

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百科事典マイペディア 「白道」の意味・わかりやすい解説

白道【はくどう】

天球上で月が1恒星月に動く大円の軌道。黄道に対して約5°9′傾斜し,その交点は東から西へ移動,約18.6年で天球を1周する。

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