北海道南部を走る北海道旅客鉄道(JR北海道)の線路名称。南千歳(ちとせ)(新千歳空港駅の開業に伴い、千歳空港を改称)―新夕張(しんゆうばり)―新得(しんとく)間132.4キロメートル(うち上落合(かみおちあい)信号場―新得間24.1キロメートルは根室(ねむろ)本線との共用区間)。全線単線、非電化。北海道の脊梁(せきりょう)山脈である日高山脈と夕張山地を横断して、道央の石狩(いしかり)平野と道東の十勝(とかち)平野を連絡する。とくに北海道の玄関に相当する新千歳空港や中心都市札幌を道東に短絡させ、北海道の幹線鉄道網の一部となっている。札幌―釧路(くしろ)(または帯広(おびひろ))間の特急列車のほか、南千歳―新夕張間には普通列車が走る。1981年(昭和56)10月、南千歳―追分(おいわけ)間、新夕張(紅葉山(もみじやま)駅を開業に際して改称)―上落合信号場間を開業し、同時に既設の夕張線追分―新夕張―夕張間(1892年北海道炭礦(たんこう)鉄道により開業、1906年国有化)を編入した。日高山脈を横断する部分は鵡川(むかわ)および沙流(さる)川上流部の険しい山地で、人口も少なく、駅間距離が長い。新夕張―新得間89.4キロメートルに中間駅は2駅しかなく、列車交換のため中間に合計12か所の信号場がある。また、険しい山地を通過するため、トンネルと橋梁の多いことでも有名で、北海道の在来線で第1位(新登川(しんのぼりかわ)トンネル、5825メートル)より第3位までの長大トンネルはこの線にある。1987年、日本国有鉄道(国鉄)の分割民営化に伴い、JR北海道に所属。新夕張―夕張間16.1キロメートルに通じていた夕張支線は、利用者の減少により2019年(平成31)4月1日で廃止された。
[青木栄一・青木 亮 2020年3月18日]
千歳線南千歳(旧,千歳空港)駅を起点とし根室本線新得駅に至る132.4km,および途中駅の新夕張から夕張まで16.1kmの計148.5kmのJR北海道の営業線。1981年10月道央(札幌)と道東とを結ぶ短絡線として誕生した。同線の開業で札幌から帯広,釧路方面への特急,急行列車はすべて石勝線経由となり,従来の根室本線経由と比べて札幌~帯広間では約1時間,千歳空港~帯広間では約2時間短縮された。同線中の追分~新夕張~夕張間は旧夕張線で,千歳空港~追分間と新夕張~新得間開業と同時に全線石勝線と改称された。同線中の新夕張~占冠間34.3kmはJR線の中でもっとも長い駅間距離である。
執筆者:村山 繁樹
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