翻訳|marcasite
硫化鉄鉱物のひとつ。黄鉄鉱と同質異像関係にあるといわれるが、安定関係は明らかでない。浅~深熱水性鉱床、噴気性鉱床中などに産し、堆積(たいせき)岩中に団塊をなすこともある。黄鉄鉱に非常によく似た外観をもつが、これよりまれである。自形は斜方柱状。黄鉄鉱仮晶をなすことも多い。日本では、青森県中津軽郡西目屋(にしめや)村の尾太(おっぷ)鉱山(閉山)、岩手県岩手郡松尾村(現、八幡平(はちまんたい)市松尾)の松尾鉱山(閉山)などに知られる。英名はアラビア語(一説にムーア語)で黄鉄鉱をさしていた語に由来するものといわれる。
[加藤 昭]
白鉄鉱
英名 marcasite
化学式 FeS2
少量成分 Ni,Co,Se,As
結晶系 斜方(直方)
硬度 6~6.5
比重 4.88
色 真鍮黄
光沢 金属
条痕 帯緑黒
劈開 二方向にやや明瞭
(「劈開」の項目を参照)
marcasite
化学組成FeS2の鉱物。フェロセライト(ferroselite, FeSe2)とは同構造で,白鉄鉱とフェロセライトはかなりの範囲で固溶体をつくる。直方晶系,空間群Pnnm, 格子定数a0.4436nm, b0.5414, c0.3381, 単位格子中2分子含む。淡古銅黄色金属光沢の錐状または板状結晶あるいは放射繊維状集合体,(101)でタンポポの葉状双晶をなす。劈開{101}明瞭,断口不規則,硬度6~6.5, 比重4.887。条痕灰黒または褐黒色。不透明。反射顕微鏡下では帯黄白色,反射異方性は著しいが反射多色性は弱。低温熱水鉱床または泥質堆積岩中にノジュールとして産する。アラビア語起原のmarcasiteは,18世紀ごろまで鉄鉱の結晶体に用いられていたが,1845年W.K.Haidingerが現在のように定義づけた。
執筆者:青木 義和
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
FeS2.黄鉄鉱と同質異像の関係にある.酸性の浅成低温熱水鉱床で生成され,普通,石灰岩および粘土堆積物より産出する.斜方晶系,空間群 Pmnn.格子定数 a0 = 0.337,b0 = 0.444,c0 = 0.539 nm.密度4.875 g cm-3.硬度6~6.5.多くは板状{010},双晶面{101}の繰り返し双晶が多い.金属光沢で,青みを帯びた黄褐色.光学的異方性,多色性が強い.反射率緑52%,橙45.5%,赤44.5%.化学成分上のずれは少ないが,SがSeに数% 置換される.塩化鉄(Ⅲ)または硫酸鉄(Ⅲ)にH2Sを反応させ300 ℃ 以下で生成する.また,450 ℃ で加熱すると黄鉄鉱にかわる.化学反応は黄鉄鉱と同じ.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
化学組成FeS2の斜方晶系に属する鉱物。黄鉄鉱(等軸晶系)と多形。比重4.9,モース硬度6~6.5。不透明,金属光沢。新鮮な破面では黄鉄鉱(淡黄色)よりさらに淡色であり,白鉄鉱と名付けられているが,空気中では濃色に変化し,黄鉄鉱とよく似た色となる。自形の結晶はまれで,多くは塊状,鍾乳状でしばしば放射状の断面を示す。これと似た様相を示す黄鉄鉱もあるので注意を要する。低温の酸性溶液から鉄の硫化物が沈殿するときに白鉄鉱が生じやすいといわれている。空気中でとくに湿度の高いとき分解しやすく,多くの場合硫酸鉄を生ずる。
執筆者:由井 俊三
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