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大谷石 おおやいし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

大谷石
おおやいし

栃木県宇都宮市大谷町から産出する凝灰岩石材。青緑色,多孔質で俗に「ミソ」と呼ばれる空隙がある。割れ目が少く,軟らかくて軽く加工しやすいので,古来多量に切出され,価格も安い。耐火性もかなりある。日本の凝灰岩では最も需要が多く,石材として年数百万切に達するといわれ,東京をはじめ関東から名古屋地方まで搬出されている。用途は石垣,石段,石壁,倉庫など。東京の旧帝国ホテルは F.ライトによって大谷石で造られていた。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

大谷石

江戸時代に本格的な採石がはじまり、明治時代には高級石材として知られるようになった。1970年代には出荷量が年間100万トン近くあったが、コンクリート普及や89年に相次いだ陥没事故などが響いて低迷。現在は大谷石産業を含む12社が採掘を続けている。昨年の出荷量は約2万4千トン。

(2010-08-22 朝日新聞 朝刊 栃木全県 1地方)

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デジタル大辞泉の解説

おおや‐いし〔おほや‐〕【大谷石】

宇都宮市大谷町付近から産出する石材。凝灰岩の一種で、淡青緑色。軟らかく加工が容易で、耐火性・吸水性に富む。石垣や倉庫の外壁などに使用。

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百科事典マイペディアの解説

大谷石【おおやいし】

宇都宮市大谷町(もと荒針村)一帯で産出する石材。石垣,門塀,擁壁などに利用。グリーンタフに属する流紋岩質軽石凝灰岩で,多孔質で柔らかく,つるはしでも切り出せ,露天掘,坑内掘で採石する。
→関連項目宇都宮[市]大谷磨崖仏凝灰岩石材

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デジタル大辞泉プラスの解説

大谷石

石材の名。栃木県宇都宮市大谷町周辺で産出される灰緑色系の凝灰岩。大正時代、フランク・ロイド・ライト設計の旧帝国ホテルに使用された。

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世界大百科事典 第2版の解説

おおやいし【大谷石】

栃木県宇都宮市大谷町付近に産する流紋岩質凝灰岩の石材名。新生代第三紀の火山活動で噴出した火山灰が,海水中に堆積して形成されたもので,緑色から淡緑色,あるいは淡褐色を呈する文字どおりのグリーンタフである。かつては露天掘りでつるはしによって採石され,地表に近い層の〈白目〉と下層の〈青目〉とに分けられていたが,今日では石切場地下に移り,地下数十mに達する大洞窟を作りながらチェーンソーによって大規模に切り出されている。

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大辞林 第三版の解説

おおやいし【大谷石】

宇都宮市大谷町付近でとれる凝灰岩ぎようかいがんの石材。青白色で柔らかく加工しやすい。耐久性・耐火性に富み、土台石・石塀などに使用。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

大谷石
おおやいし

栃木県宇都宮市大谷に産する流紋岩質軽石凝灰岩の石材で、日本の代表的な建築用軟石。新第三紀中新世(約2303万~533万年前)の火山噴出物で、いわゆる緑色凝灰岩(グリーンタフ)の一種。もとの造岩鉱物の長石はカオリンや絹雲母(きぬうんも)に、有色鉱物は緑簾石(りょくれんせき)、緑泥石、蛇紋石、チタン石などに変質している。そのため外観は淡い灰緑色ないし淡黄緑色を呈し、中に暗褐色または緑褐色の部分が斑(まだら)状に散在している。この褐色部分は軟らかく、「みそ」とよばれている。大きなみそが多数含まれているものは、石材に不適とされる。より深い地下でとれる青緑色の「青目」、地表近くでとれ、青目より硬く良質で白っぽい「白目」、より細粒の「虎目(とらめ)」などの種類がある。一般に多孔質で、水分を吸収しやすく凍結に弱いが、火熱に強く、1000℃以上でも安定である。ほかの石材に比べて軟らかく、採掘や加工が容易である。露天掘り、坑道掘りで切り石として採石され、土木・建築用に広く利用されている。耐火用として倉庫や石蔵に用いられるほか、土台や石塀にも用いられる。アメリカの建築家F・L・ライトは、旧帝国ホテルの建築に用いた。[斎藤靖二]

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世界大百科事典内の大谷石の言及

【グリーンタフ】より

…グリーンタフには,安山岩・石英安山岩・流紋岩の溶岩,凝灰角レキ岩,軽石凝灰岩などが多く,このうち石英安山岩・流紋岩質の軽石凝灰岩が緑色を呈することが多い。栃木県下で石材として採掘されている大谷石はその例である。緑色となるのは,変質によってできた鉱物のなかに,緑泥石,モンモリロナイト,セラドナイトなどに属する緑色の粘土鉱物があるためである。…

※「大谷石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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