出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
兵庫県西宮(にしのみや)市甲山(かぶとやま)町にある寺。真言宗御室(おむろ)派に属する。山号は甲山(かぶとやま)。通称甲山大師で知られる。寺伝によると、淳和(じゅんな)天皇の妃(きさき)真井御前(まないごぜん)が弘法(こうぼう)大師空海に帰依(きえ)して出家し、如意尼(にょいに)と称し、831年(天長8)勅願を奉じて堂を建立したのに始まるという。その後、寺は栄枯盛衰を繰り返し、源頼朝(よりとも)が再興したが、天正(てんしょう)年間(1573~92)兵火で諸堂を焼失。現本堂は江戸時代の建立。本尊の如意輪観音(にょいりんかんのん)(国の重要文化財)は、空海が如意尼の姿を桜の木に刻んだと伝える秘仏(開帳5月18日のみ)で、室生寺、観心寺の2体とともに日本三如意輪の一つに数えられる。
[金岡秀友]
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