竹本政太夫(2世)(読み)たけもとまさたゆう[にせい]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「竹本政太夫(2世)」の意味・わかりやすい解説

竹本政太夫(2世)
たけもとまさたゆう[にせい]

[生]宝永7 (1710).大坂
[没]明和2 (1765)
義太夫節太夫。通称薩摩屋重兵衛。大坂雑喉場の出身。1世竹本政太夫(→竹本義太夫〈2世〉)の弟子で,小政とあだ名されるほど師の芸風を踏襲し,寛保3(1743)年竹本座に初出座。雑喉場政太夫,新町西口に住んだことから西口政太夫とも呼ばれた。大音でやや癖のある語り口ながら,師匠譲りの文章を大切にする質実な西風の伝統を遵守した。寛延1(1748)年『仮名手本忠臣蔵』初演時に多くの座員の異動があったときも竹本座を離れず,『義経千本桜』などの浄瑠璃黄金期の作品から,晩年の近松半二作『奥州安達原』にいたるまで,一貫して竹本座の中心の一人であり続けた。(→人形浄瑠璃文楽

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