(読み)ダイ

デジタル大辞泉 「第」の意味・読み・例文・類語

だい【第】[漢字項目]

[音]ダイ(呉) テイ(漢)
学習漢字]3年
一段一段と並ぶ順序段階。「次第
古代中国の官吏登用試験。広く、試験のこと。「科第・及第登第落第
やしき。邸宅。「邸第聚楽第じゅらくだい
[名のり]くに・つき

だい【第】

[名]りっぱな家。やしき。邸宅。
「基経の―に所謂臨時の客があった時の事である」〈芥川芋粥
[接頭]数を表す語に付いて、ものの順序を表すのに用いる。「世界一の都会」「五巻」「三レース」「六感」

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精選版 日本国語大辞典 「第」の意味・読み・例文・類語

だい【第】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. やしき。邸宅。てい。
      1. [初出の実例]「大臣以豊御炊姫天皇廿二年歳次甲戌、生於藤原之第」(出典家伝(760頃)上)
      2. [その他の文献]〔史記‐孝武本紀〕
    2. 物事の順序や序列。次第。
      1. [初出の実例]「群臣拝舞賜祿有差其文人者後日定第」(出典:内裏式(833)九月九日菊花宴式)
      2. [その他の文献]〔春秋左伝‐哀公一六年〕
  2. [ 2 ] 〘 接頭語 〙 数を示す語について物事の順序を表わす。
    1. [初出の実例]「除目に第一の国得たる人」(出典:能因本枕(10C終)八四)
    2. 「西園寺入道前太政大臣身まかりて、第三年の秋」(出典:新後撰和歌集(1303)雑下・一五四二・詞書)
    3. [その他の文献]〔論語‐篇名〕

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普及版 字通 「第」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

[字音] ダイ・テイ
[字訓] しだい・やしき・ただ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は弟(てい)の省文。弟は〔説文〕五下に「束(ゐそく)の第なり。古字の象に從ふ」とあり、(なめしがわ)でものを束ねる形。第は竹簡をそのように次第して綴ることをいう。それで序列・品第の意となる。邸の意に仮借し、また副詞の「ただ」に用いる。命令的にそれを選択するとき、また仮設の意がある。

[訓義]
1. しだい、ついで、竹簡を順序よく綴る。
2. 次第の順、第一・第二。
3. しな、しなの高低、品第。
4. 合格する、及第する、品第に入る。
5. 邸と通じ、やしき。
6. 但と通じ、ただ。

[古辞書の訓]
名義抄〕第 ツイヅ 〔字鏡集〕第 サイハヒ・シバラクハナル・ツイヅ・ヲク・タダ・イヘ

[語系]
第dyeiは但dan、徒da、特dk、直dikと声近く、みな副詞の「ただ」の意に用いる。また邸tyeiは〔説文〕六下に「屬國の舍なり」とあり、宿宅をいう。第を通仮して、その義に用いる。

[熟語]
第一・第宇第屋・第下・第家・第館・第観第行・第次第室・第舎・第秩第品第名・第目第門・第令第宅第内
[下接語]
下第・科第・家第・開第・官第・館第・起第・及第・旧第・居第・公第・甲第・高第・次第・私第・失第・升第・上第・城第・大第・治第・邸第・第・登第・入第・美第・品第・府第・譜第・別第・名第・門第・落第・里第・列第

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