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結綿島田髷(まげ)の略称で、嫁入り前の若い女性たちが結んだ髪形である。桃色、緋(ひ)色の鹿(か)の子の手絡(てがら)を島田髷の上に掛けた髪形で、その始まりは明治に入ってからである。この髪は高島田と違って、鬢(びん)や髱(たぼ)をあまり張り出さないように結い上げる。つまり、あまり張り出さないことによって、手絡の美しさが一段と映えるのである。今日、新日本髪となってからも結綿が喜ばれるのは、その美しさに起因している。
[遠藤 武]
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…幼児のおもに男子の髪形に,髪を剃り落とし,部分的に髪を残した髪形が近世より流行し,芥子坊(けしぼう),ごんべ(権兵衛),ぼんのくぼ(盆の窪)などの名がある。江戸後期から明治にかけて,女子は少女期になると,髷をつけ,おたばこ盆,桃割(ももわれ),結綿(ゆいわた),島田と,嫁入前まで年齢に応じて結い分けられていた。【橋本 澄子】
[明治以降]
1871年(明治4)の〈散髪脱刀令〉は,従来の一般男子の丁髷(ちよんまげ)が外国と対等に付合いをする支障になるからという,外交上の目的から発せられたが,一般には〈文明開化のシンボル〉として受け取られていた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」