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網走(市) あばしり

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

網走(市)
あばしり

北海道東部、オホーツク海に面する市。オホーツク総合振興局の所在地。1947年(昭和22)市制施行。アイヌ語学者知里真志保(ちりましほ)によれば、地名は、網走川河口近くの海中にある帽子(ぼうし)岩をさす古いアイヌ語「チパ・シリ」(幣場(ぬさば)のある島)に発し、チパが古語になってその意が解しにくくなり、チ・パ・シリ(われらが・発見した・土地)の意に受け取られ、チと同意のアに変わってア・パ・シリとなったとされる。台地丘陵地が多く、西部には能取(のとろ)湖、網走湖に接して低平地が広がり、東部の海岸砂丘の背後には濤沸(とうふつ)湖、藻琴(もこと)湖などがある。網走川の河口付近に中心市街地が形成され、JRの石北(せきほく)本線、釧網(せんもう)本線が接続し、国道39号、238号、244号が集まる。旧国鉄湧網(ゆうもう)線は1987年廃止。
 18世紀末に漁場が開かれ、1880年(明治13)郡役所が置かれ、以来地方行政の中心地となった。いまも国や北海道庁の出先機関が多い。内陸部の開発に伴って網走港の港湾整備も進み、商港、漁港の機能をもつオホーツク海岸第一の港湾となったが、1~3月の流氷の時期には港内は完全に凍結する。砕氷船による流氷観光が冬季の呼び物となっている。農業はジャガイモ、小麦、サトウダイコンなどの畑作と牛乳、牛肉、ブロイラーなどの畜産が行われ、水田はほとんどない。林業、ホタテガイ、サケ・マス、タラなどの水産業、同加工業は盛んである。工業では食品や窯業がある。観光も盛んで、海岸沿いには原生花園、湖沼・湿原、放牧風景など網走国定公園を彩る自然景観が展開する。市街南の桂ヶ岡(かつらがおか)公園には郷土博物館やアイヌの築いた砦(チャシ)跡(国指定史跡)が、網走川河口付近に先住民族の居住跡であるモヨロ(最寄)貝塚(国指定史跡)がある。天都(てんと)山は標高200メートル余の丘であるが360度の雄大な展望を楽しめ国の名勝に指定されており、オホーツク流氷館がある。中腹は北海道立オホーツク公園となっており、北方民族博物館があり、山麓(さんろく)には博物館網走監獄や網走スポーツ・トレーニングフィールドがある。網走川北岸には網走刑務所が望める。面積471.00平方キロメートル、人口4万0998(2010)。[岡本次郎]
『『網走市史 上巻』(1958・網走市)』

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