網走市とその東、
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
北海道東部、オホーツク海に面した潟湖(せきこ)。網走市(あばしりし)と小清水町(こしみずちょう)にまたがる。東西8キロメートル、南北2キロメートル、周囲30キロメートル、面積8.25平方キロメートル、基準水面0.6メートル、最深2.4メートル。富栄養の汽水湖で、洪積層の台地に囲まれた内湾が砂州の発達でオホーツク海と隔てられたもの。砂州の延長7.5キロメートル、最大幅700メートル、標高は20メートルを超える所もある。西端の網走市北浜付近に約40メートルの開口部があって海に通じている。湖名はアイヌ語の「ト・プツ」(湖・口)に由来するとされる。浦士別(うらしべつ)川、オンネナイ川、丸万(まるまん)川などが流入し、河口部にはデルタが発達している。ワカサギ、エビなどの漁業が行われ、カモなど水鳥が生息し、オオハクチョウなども飛来、野鳥観察舎がある。網走国定公園の一部で、砂州上には小清水、北浜の原生花園が広がる。また、2005年(平成17)には、ラムサール条約登録湿地となった。湖畔では酪農が営まれ、牧歌的風景が展開している。砂州上をJR釧網(せんもう)本線、国道244号が走る。
[岡本次郎]
北海道東部,網走支庁小清水町にある湖。オホーツク海岸に発達した砂丘状砂州によってふさがれた潟湖で,東西8km,幅2km,周囲30km,面積9.3km2,最深2.5m。砂州はもっとも広いところで幅700m,高いところで標高20mをこえ,7.5kmにわたって湖をせき止めているが,西端の北浜付近で約40mの幅で外海に通ずる汽水湖である。湖中には湿地を含む小島が点在する。湖内は藻琴(もこと)山(1000m)から流入する丸万川,オンネナイ川,浦士別川などの運ぶ土砂の堆積が著しい。湖の名はアイヌ語の〈トー・プッ(湖の口)〉に由来する。カモをはじめ水鳥の生息地となっており,冬季には凍結するが,秋と春には多数のハクチョウが飛来する。ワカサギ,エビなどの漁業も行われる。砂丘上を通るJR釧網本線,国道244号線に沿って北浜原生花園が広がり,6~9月に約60種の草花が咲き乱れる。湖の周辺では酪農も営まれ,原生花園,湖と一体となって牧歌的な雰囲気をつくり出している。
執筆者:奥平 忠志
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