出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
水縄山地とも書く。福岡県の南部,筑後川と矢部川の間に位置し,東西にのびる山地。広義には,東部の福岡・大分県境の火山岩からなる津江山地も含む。狭義の耳納山地は筑後川の南に東西にのび,最高峰は鷹取山(802m)で,西に向かって徐々に高度を下げ,高良(こうら)山(312m)を過ぎ久留米市街地の東部で平野に没している。北側は中央構造線に沿う断層で,南側の矢部川に向かってゆるやかに低下する尾根の状態から,古くから傾動地塊の典型例とされているが,まだ地質的な証拠は示されていない。地質は東部が筑紫溶岩であり,中央部から西部にかけての大部分は古生代の変成岩類である。北の急斜面山麓には小規模な扇状地が連続して発達し,ブドウ,柿,梨などの果樹園が多く,南の八女郡,八女市側では茶,シイタケなどの商業的山地農業が見られる。
執筆者:赤木 祥彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
福岡県南部、筑後川(ちくごがわ)中流の南を東西に20キロメートル余り続く傾動地塊の山地で、水縄山地とも書く。西端の高良(こうら)山(312メートル)から発心(ほっしん)山(698メートル)、鷹取(たかとり)山(802メートル)と徐々に高度を増す起伏の少ない尾根が東に延び、大分県境の津江山地(つえさんち)に連なる。大部分が結晶片岩(変成岩)からなるが、合瀬(おうぜ)耳納峠(553メートル)以東では安山岩などの火山岩に覆われている。北斜面は直線的なみごとな断層崖(がい)で、中央構造線(松山―伊万里(いまり)線)の一部と考えられ、山麓(さんろく)に扇状地が連続的に発達、カキ、ブトウ、ミカン、苗木などの栽培が盛んで、開発の歴史は古く古墳も多い。南斜面は緩傾斜で、矢部(やべ)川支流の星野川流域では山頂近くまで水田や茶畑に利用されている。1971年(昭和46)平坦(へいたん)な尾根を利用して展望に優れた耳納スカイラインが開通。筑後川県立自然公園に含まれる。
[石黒正紀]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…広義には,東部の福岡・大分県境の火山岩からなる津江山地も含む。狭義の耳納山地は筑後川の南に東西にのび,最高峰は鷹取山(802m)で,西に向かって徐々に高度を下げ,高良(こうら)山(312m)を過ぎ久留米市街地の東部で平野に没している。北側は中央構造線に沿う断層で,南側の矢部川に向かってゆるやかに低下する尾根の状態から,古くから傾動地塊の典型例とされているが,まだ地質的な証拠は示されていない。…
…〈ちくしさんち〉ともいう。おもに福岡,佐賀,長崎3県にまたがって北東から南西方向に走る山地。地体構造上,西南日本内帯に位置し,中国山地の延長上にある。中国山地が連続した山地であるのに対し,この山地は筑豊盆地,福岡平野,筑紫平野などにより地塊に分断されている。北東から本州と対峙する企救(きく)山地,紫川の東側に位置する貫(ぬき)山地と西側に位置する福智山地,筑豊盆地と福岡平野の間の三郡山地,筑後川の南の耳納(水縄)(みのう)山地,福岡・熊本両県にまたがる筑肥山地,福岡・佐賀両県境の脊振山地,佐賀県から長崎県にかけての肥前山地の総称である。…
※「耳納山地」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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