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職業選択の自由 しょくぎょうせんたくのじゆう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

職業選択の自由
しょくぎょうせんたくのじゆう

みずからの好むところに従って職業を選択し遂行する自由。資本家のいわゆる営業の自由もそこに含まれる。封建時代にあっては職業は身分により固定されていたが,封建体制の打破を意図した近代市民革命は当然に職業選択の自由を帰結するものであった。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉の解説

しょくぎょうせんたく‐の‐じゆう〔シヨクゲフセンタク‐ジイウ〕【職業選択の自由】

自分の従事したい職業を任意に選択する自由。日本国憲法第22条で保障されている。

出典|小学館
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世界大百科事典 第2版の解説

しょくぎょうせんたくのじゆう【職業選択の自由】

封建時代において,人々は土地に縛られ,職業はしばしばその生まれた身分によって決定されたが,1789年のフランス革命を典型とする市民革命から生まれた近代憲法は,人々を居住地や職業に関する緊縛から解放して,自由な労働力の形成を可能にし,資本主義社会の存立の基盤をつくった。フランスでは,91年3月の政令が,同業組合を廃止して,同業的結合による職業独占からの営業の自由を承認したのである。革命期の憲法では,例えば,フランスの95年(共和暦3)憲法が,〈いかなる特権も,親方身分も,宣誓同業組合も,商業の自由およびあらゆる種類の産業および手工業の行使に対する制限も,存在しない〉(355条)と規定して,同業組合の廃止と営業の自由の原則を認めている。

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大辞林 第三版の解説

しょくぎょうせんたくのじゆう【職業選択の自由】

自分が従事したい職業を任意に選択でき、その職業に就くことについて差別されない自由。憲法第二二条で保障されている。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

職業選択の自由
しょくぎょうせんたくのじゆう

自分が従事したい職業を選択する自由。自由権の一つ。単に職業の自由ともいい、職業を決定する自由にとどまらず、その職業を行う自由、つまり「営業の自由」も含まれる。明治憲法には規定はなかったが、日本国憲法は「公共の福祉に反しない限り」これを保障している(22条1項)。
 自己の職業を決定する自由については、法律が禁止するもの(人身売買、売春など)を除いて、なんの制限もないが、その職業を行う自由については、営業が国民生活に与える影響が大きく、また国が公共事業を行うこともあって、その見地から、つまり「公共の福祉」のために、さまざまな規制が加えられている。規制の例を大別すると、社会的害悪の発生を防止するためという警察目的から規制される場合と、一定の政策を実施するためという政策目的からなされる場合とがある。[池田政章]

警察目的からする規制


(1)開業の規制 まず、不正業者を市場から排除するために登録制が設けられているものに、貸金業、採石業、旅行業などがある。次に、放任すると社会的悪影響が出てくるので行政庁の許可が必要とされるものに、風俗営業、旅館業、公衆浴場業、飲食店業、質屋、古物営業、建設業、不動産取引業、危険物取扱業など(許可営業)があり、例が多い。
 また人の生命、健康、安全に関係する職業や専門的知識が必要なものについては、職業を行うにあたって、公的な試験で資格を認定された者だけに許されるものがある。医師、歯科医師、薬剤師、看護師、建築士、弁護士、税理士、司法書士、栄養士、調理師、美容師、理容師などの例があり、これも例が多い。これらは士(師)がつくところから士(さむらい)法などとよばれる。
(2)営業活動の規制 人命や健康の安全のために、立入検査、緊急措置、改善命令など、強い行政監督権に服するものに、薬局、火薬や高圧ガスなど危険物を取り扱う営業がある。また善良な風俗維持のために、風俗営業については、営業時間・営業行為について徹底した規制がなされる。そのほか犯罪の予防や取締りのために、質屋や古物営業については、帳簿の記載や、立入り・調査などの規制がある。[池田政章]

政策目的からする規制


(1)開業の規制 事業の公共性が高い郵便は、公的独占にゆだねられ、私人は営業することができない。また、供給が過剰になることを防止するために石油精製業や航空機製造業などは許可が必要である。既存業者を保護するため、事業所の配置を許可の基準とするものに、公衆浴場、酒類の製造・販売、たばこ小売業などがあるほか、周辺地域の生活環境を保つ目的で、百貨店の店舗面積を規制している。さらに、国民生活に深くかかわる営業で競争が不適当であると考えられて、国からの参入規制を受けているものに、道路運送業、海上運送業、港湾運送業、航空事業、鉄道業など(特許企業)がある。しかし、これら規制を受けてきた事業のなかには、政府の規制緩和推進により、新規参入やその他さまざまな規制が緩和される方向にあるものもある。
(2)営業活動の規制 公正な取引を確保するために主要業者が同調して価格引上げを行うことを規制し(独占禁止法)、不当な表示を禁止する(不当景品類及び不当表示防止法)などしている。[池田政章]
『J・L・ホランド著『職業選択の理論』(1993・雇用問題研究会) ▽円谷勝男著『現代人権論考』(2002・高文堂出版社)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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世界大百科事典内の職業選択の自由の言及

【営業】より


【営業的活動】
 フランス革命以来,営業の自由は資本主義経済社会の根本原則とされている。日本国憲法22条は〈職業選択の自由〉としてこの自由を保障するが,次のような理由から種々の営業制限がなされている。まず公法上の制限として,(1)公益上の理由(阿片煙等の販売禁止),(2)保健衛生(飲食業),危険予防(火薬等販売)などの産業警察的理由,(3)事業の公共性(銀行,ガス),(4)国家財政上の理由(タバコ),(5)身分上の理由(判事,国家公務員)などがある。…

【職業】より

…もし自分で仕事を続けながら手伝いを雇えば,雇用主となるが職業は変わらず,従業上の地位の変化は職業に影響を及ぼさない。
[職業選択の自由]
 原始社会や封建社会には職業選択の自由はなく,封建社会では職業は世襲が多く,また職業につくのに多くの制約があった。現在では,特定の職業につくために長期の準備期間や教育を必要としたり,経済不況による就業機会の縮小はあるものの,原則として人はどのような職業にもつくことができ,職業につくことによって個性の発揮をはかり,職業生活に生きがいを求めることができる。…

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