胥吏[中国](読み)しょり[ちゅうごく](英語表記)xu li

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「胥吏[中国]」の意味・わかりやすい解説

胥吏[中国]
しょり[ちゅうごく]
xu li

中国で行政の実務をとる下級官吏。その実質古代から存在したが,宋以降特に発達した。政府から派遣された官吏任地で,その配下に土地の出身者か,長く住みついた者が胥吏に選ばれたが,彼らはその土地や役所の事情に精通していたため,官吏に代って実務を司り,行政,裁判の実権を握るにいたった。初め政府が必要に応じて庶民の間から採用したが,のち世襲的な地位となった。政府に対する職役の義務というたてまえから,俸給は与えられず,人民から租税納入や訴訟受付のたびに手数料を取り,それを生活の資としていた (→陋規〈ろうき〉) 。そのため賄賂がはびこり,政治上の弊害が生じたため,一時,王安石による改革も行われたが,その後もとに戻り,清末の胥吏制度廃止まで続いた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android