先天的または後天的に脊柱管が狭くなって、
後天的な場合は、加齢、外傷による椎骨の退行性の変化および軟部組織の
腰椎の場合は両側または片側の下肢の痛み、感覚障害、筋力低下が主な症状です。また歩行すると下肢痛のために歩行ができなくなりますが、安静にすると痛みは消えて再び歩行が可能になる
単純X線検査およびMRI検査で、脊柱管の狭小、脊髄や神経根、馬尾神経の圧迫が認められます。
鎮痛薬や
症状が重い場合は
吉井 文均
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
脊柱管がもともと狭い場合や、発育につれてあるいは脊椎(せきつい)の変形などが原因で狭くなり、脊髄(せきずい)を圧迫して痛みなどさまざまな症状を呈するもの。脊椎管狭窄症ともいう。腰椎部や頸椎(けいつい)部に発生することが多く、なかでも腰椎部に発生するものが多い。それぞれ「腰椎脊柱管狭窄症(腰部脊柱管狭窄症)」「頸椎脊柱管狭窄症」とよばれる。腰椎部や頸椎部のほかに胸椎など広範囲にわたって脊柱管狭窄を生じる「広範脊柱管狭窄症」は原因が明らかになっておらず、厚生労働省による公費対象の指定難病である。馬尾(ばび)神経(馬尾型)や神経根(神経根型)が障害されるものと、その両方に障害をきたす混合型がある。
腰椎脊柱管狭窄症では、腰痛のほか歩行障害を伴う。歩行中にしだいに足のしびれや痛みを感じるが休憩すると元通りに回復する(馬尾性)間欠性跛行(はこう)が特徴で、ほかに会陰(えいん)部に知覚異常(灼熱(しゃくねつ)感など)の症状が現れることもある。頸椎脊柱管狭窄症では、頸椎や肩にこりや痛みを伴い、上腕や前腕および手にしびれや痛みの症状がみられる。広範脊柱管狭窄症ではこれらの症状が複合的にみられ、手足や体のしびれと痛みおよび間欠性跛行、さらに脱力感や排尿障害などを伴う。保存的治療としては、消炎鎮痛薬や血行改善薬などの薬物治療、温熱療法や神経ブロック、コルセット装着療法などを行う。これらの治療で改善がみられない場合は頸椎や腰椎の牽引(けんいん)を試み、さらに脊柱管を拡大する手術や椎弓切除術などの手術治療を考える。
[編集部]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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