デジタル大辞泉
「腰帯」の意味・読み・例文・類語
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こし‐おび【腰帯】
- 〘 名詞 〙
- ① 腰に締める帯。
- [初出の実例]「天のはらも十月めにうむ小春哉 時雨の雲は山のこしおび」(出典:俳諧・犬子集(1633)一七)
- ② 束帯(そくたい)の時、袍(ほう)の腰をたばねる黒塗りの革帯。石帯(せきたい)。ようたい。
- [初出の実例]「高市皇子より以下、小錦より以上の大夫等に、衣袴褶腰帯(こしオヒ)、脚帯(あゆひ)及び、机
(おしまつき)賜ふ」(出典:日本書紀(720)天武五年正月癸卯(北野本訓))
- ③ 水干(すいかん)、狩衣(かりぎぬ)、水衣(みずごろも)、法被(はっぴ)などの上に結び、前にたらす細幅の飾り帯。能装束にも用いる。〔装束集成(1754頃か)〕
- ④ 婦人の和服の付属品。下締めの帯。衣服を身長に合わせて着て、そのあまりの腰にためた部分を帯の内側に整えるため、腰に結ぶ幅の狭いひも。かかえおび。〔書言字考節用集(1717)〕
よう‐たいエウ‥【腰帯】
- 〘 名詞 〙
- ① 金属などでつくった帯金がつけてある革の帯。石帯(せきたい)。また、単に腰の帯のこともいう。
- [初出の実例]「腰帯両三杯後解、口談四七字中存」(出典:菅家文草(900頃)二・二十八字、謝酔中贈衣。〈略〉更述四韻、重以戯之)
- [その他の文献]〔後漢書‐耿秉伝〕
- ② 脊椎動物の有対肢の骨格の一部、後肢帯のこと。有対肢の体外に突出する部分の自由肢を脊柱に結合する働きがある。背部は腸骨、腹部は恥骨・坐骨などからなる。脊椎動物により形態などが異なる。原始形は魚類の軟骨縫合。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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腰帯 (ようたい)
pelvic girdle
〈骨盤肢帯〉ともいう。脊椎動物の腰部にあって,後方の有対肢(腹びれまたは後肢,下肢)の骨格や筋肉の土台となり,それらを胴に結びつける骨格。ヒトでは下肢帯という。腰帯は,魚類では1個または1対の骨格であるが,両生類以上の動物では,左右各側で腸骨,恥骨,坐骨の3要素が一体化してできた1対の寛骨がこれに当たる。左右の寛骨は脊柱の仙椎と結びついて1個の骨盤を形成する。胸びれまたは前肢(上肢)の土台をなす肩帯(胸帯,上肢帯)と合わせて一般に肢帯という。
→骨盤
執筆者:田隅 本生
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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普及版 字通
「腰帯」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の腰帯の言及
【舞楽装束】より
…(7)赤大口 袴の下に履く物で,表裏地とも紅平絹,四幅仕立てで帯紐に飾紐があり,襞(ひだ)はない。(8)腰帯(ようたい) 袍または裲襠の上に締める物で,石帯は黒漆塗牛革製で舞人装束と《採桑老》に用いられ,金帯は金銅製金具(巡方(じゆんぽう))を配したもので左方の装束に,銀帯は銀銅製金具を配したもので右方の装束に使用される。当帯は透し彫を施した金属板をちょうつがいでつないだ物,または金襴の一枚布の両端に飾り金具をつけた物等でいずれも装束によって左方,右方に区別され裲襠装束に使用される。…
【肩帯】より
…ヒトでは上肢帯とよばれ,鎖骨と肩甲骨がこれにあたる。後方の有対肢(腹びれまたは後肢)に対しても類似の骨格があってこれを[腰帯](ようたい)(骨盤のことでヒトでは下肢帯)とよび,肩帯と腰帯を合わせて一般に肢帯という。 軟骨魚類の肩帯は中軸の骨格とはつながらないU字形の骨格で,片側が烏口(うこう)軟骨・肩甲軟骨・上肩甲軟骨という3部分から成り,前2者の接続部に胸びれが付着する。…
【骨格】より
…これに肢帯と自由部とが区別される。肢帯とは前肢の肩帯と後肢の腰帯(骨盤帯)で,いずれも体壁中に没入して,体表から突出している自由部を中軸骨格に結びつける役割を営む。
[魚類の骨格]
軟骨魚類(図2)では全部が軟骨性,硬鱗魚類では軟骨に一部は骨を交え,硬骨魚類(図3)では大部分が骨で,一部軟骨を交えている(一部にはすべて軟骨の種類もある)。…
【骨盤】より
…脊椎動物において,後肢の骨格および筋肉の土台をなす腰部の骨格で,腰帯または下肢帯ともいう。軟骨魚類では,腹びれの基部の骨格である左右の基鰭(きき)軟骨を橋渡しする形で結びつけ,脊柱とはつながらない単一の棒状の軟骨が骨盤に相当し,腰帯軟骨とよばれる。…
※「腰帯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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