(読み)カ

デジタル大辞泉 「苛」の意味・読み・例文・類語

か【苛】[漢字項目]

常用漢字] [音](呉)(漢) [訓]さいなむ いら
きびしい。むごい。「苛酷苛税苛政苛斂かれん
いらいらさせる。ちくちくする。「苛性

いら【苛】

[接頭]形容詞またはその語幹に付いて、かどばっている、はなはだしい、などの意を表す。「たか
「息なまぐさし―ぐさし」〈酒食論〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「苛」の意味・読み・例文・類語

いじめいぢめ【苛】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「いじめる(苛)」の連用形名詞化 ) 弱い者などを、苦しめたり悩ませたりすること。
    1. [初出の実例]「是を意地目(イヂメ)手始として」(出典:姉と弟(1892)〈嵯峨之屋御室〉五)

苛の補助注記

昭和六〇年(一九八五)ごろからは、特に学校において、弱い立場生徒集団肉体的または精神的に苦しめる、陰湿化したいわゆる校内暴力を指すことが多い。


いらち【苛】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) ( 動詞「いらつ(苛)」の連用形の名詞化 ) 落ち着きがなく、あわただしいこと。せっかち。性急。また、そういう人やさま。
    1. [初出の実例]「早意(イラチ)の久左衛門、九日の菊兵衛」(出典:浮世草子本朝二十不孝(1686)五)

か【苛】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 厳しいこと。むごいこと。容赦のないさま。
    1. [初出の実例]「新田才許と称する者あり、此の者流は上に忠にして下に苛なる眼を放ち」(出典:日本の下層社会(1899)〈横山源之助〉五)

いら【苛】

  1. 〘 接頭語 〙 形容詞、または、その語幹や派生語の上に付いて、角張ったさま、また、はなはだしいさまを表わす。「いらくさし」「いらひどい」「いらたか」など。

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普及版 字通 「苛」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 8画

(旧字)
9画

[字音]
[字訓] からい・きびしい

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は可(か)。〔説文〕一下に「小艸なり」とするが、〔一切経音義、一〕に〔説文〕を引いて「尤劇なり」とし、苛酷の意とする。可に呵の意がある。

[訓義]
1. からい、きびしい。
2. こまごまと、わずらわしい。みだれる。
3. 呵・訶と通じ、せめる、とがめる。
4. 小さな草。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕苛 伊良(いら)〔和名抄〕苛 以良(いら)〔名義抄〕苛 イラカラシ・ハシカシ・チヂケイコト 〔字鏡集〕苛 イラ・カラシ・イカル・アヂマメ・チヂケイフ

[語系]
苛khai、(苦)khaは声義近く、草の味の感覚より、人の心意をいう語に転じたものであろう。も同じ。

[熟語]
苛役苛殃苛虐・苛求・苛禁苛厳・苛刻・苛克・苛酷・苛砕・苛細・苛察・苛止苛疾・苛峻苛擾・苛政・苛責・苛罰・苛文・苛暴・苛濫・苛礼・苛斂・苛論・苛穢
[下接語]
厳苛・細苛・惨苛・残苛・小苛・深苛・大苛・煩苛・暴苛

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