草垣群島(読み)くさがきぐんとう

日本歴史地名大系 「草垣群島」の解説

草垣群島
くさがきぐんとう

薩摩半島南西端から南西約九〇キロの東シナ海に列状に点在する小島嶼群。北緯三〇度五〇分・東経一二九度二五分付近から南西に点在する。宇治うじ群島の南約三〇キロにあって、同群島とほぼ平行の経度に並ぶ。行政上は笠沙町に属する無人島。かつては草垣島と総称された。おもな島は北の方からかみノ島・中ノ島下ノ島と南西方向へ並び、さらに南へ向かって小島や岩礁が一〇余り並ぶ。最南端に位置する島には名前はつけられていないが、北緯三〇度四九分三〇秒・東経一二九度二五分三〇秒付近に位置する。

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改訂新版 世界大百科事典 「草垣群島」の意味・わかりやすい解説

草垣群島 (くさがきぐんとう)

鹿児島県薩摩半島西端の野間岬の南西約90kmの東シナ海上,北緯30°50′,東経129°26′付近にある島群。草垣島,草垣諸島ともいい,南さつま市に属する。上ノ島,中ノ島,下ノ島の3主島と約17の小島や岩礁からなり,総面積は1km2に満たない。上ノ島の頂上部(131m)には1932年に設置された灯台があり,41年には無線方位信号所が併設され,他に気象観測も行われるようになった。この灯台の建設は難工事で有名で,45年には米軍機の空襲で破壊されたが,50年に再建された。光度80万カンデラ,光達距離約46kmで,枕崎港航路標識事務所の管轄下にある。島はいずれも安山岩よりなり,群生するススキ,アザミ,ツワブキが灌木の間を埋め,灯台職員のほかは無人であることもあって,本来の自然が保存されている。海岸の急崖の岩棚にはカツオドリが巣をつくり,オオミズナギドリが2月に来島,11月まで草むらに群生する。付近は古くからの好漁場で,特に薩摩半島南部からの出漁が多く,最近は磯釣りブームでイシダイハタメジナなどを求める釣客もふえている。71年上ノ島でヘリポートの造成工事中,縄文式土器片,打製石器,須恵器,ヒスイの耳飾など縄文時代から古墳時代に至る遺物が発掘され,古くから居住されたことが明らかになった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「草垣群島」の意味・わかりやすい解説

草垣群島
くさがきぐんとう

鹿児島県南西部,薩摩半島西端,野間岬から南西約 90km,東シナ海の海上にある群島。南さつま市に属する。上ノ島,中ノ島,下ノ島などがあるが,いずれも安山岩からなる火山島で無人。下ノ島ではかつてリン鉱を採掘していた。総面積 0.64km2

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「草垣群島」の意味・わかりやすい解説

草垣群島
くさがきぐんとう

草垣島ともよぶ。鹿児島県薩摩(さつま)半島の南西端、野間(のま)岬の南西洋上約90キロメートル、北緯30度50分、東経129度26分の東シナ海に位置する。南さつま市に属す。上ノ島、中ノ島、下ノ島の3島のほか、小島岩礁群よりなる。主島の上ノ島は最高点131メートル、周囲4キロメートルで面積0.05平方キロメートル。第三紀の安山岩からなり断崖(だんがい)に囲まれる。島内で、縄文~古墳時代の土器片や耳飾りなどが発見されている。

[塚田公彦]

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デジタル大辞泉プラス 「草垣群島」の解説

草垣群島

鹿児島県南さつま市、薩摩半島南端の枕崎から西南西へ約90kmに位置する島嶼群。東から順に上ノ島、中ノ島、下ノ島の3島と、その周辺の無数の小島からなる。上ノ島には草垣島灯台が設置されている。カツオドリやオオミズナギドリの繁殖地としても知られる。

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