精選版 日本国語大辞典 「藪」の意味・読み・例文・類語
やぶ【藪】
〘名〙
① 草木・竹などが手入れもされず乱雑に生い茂っている所。おどろ。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
※古今(905‐914)雑上・八七〇「日の光やぶしわかねば礒神(いそのかみ)ふりにしさとに花もさきけり〈布留今道〉」
② 特に、竹の生え茂っている所。竹藪。竹林。
※東寺百合文書‐を・明応四年(1495)一一月二八日・山城上久世庄下司職相伝文書案「山城国上久世庄藪五段、此内屋敷在之」
③ 「やぶいり(藪入)」の略。
※俳諧・虚栗(1683)上「浪人の恋するを詰(なぶり)おぼしめす〈嵐雪〉 やぶの一夜に入るかひぞなき〈嵐蘭〉」
④ 「やぶいしゃ(藪医者)」の略。
※俳諧・本朝文選(1706)四〈汶村〉「当時の藪達を見るに」
⑤ 藪蕎麦(やぶそば)のこと。
※雑俳・柳多留‐九六(1827)「藪と笹とで名高ひそばうどん」
⑥ 「やぶにらみ(藪睨)」の略。
⑦ 花柳界で、陰毛をいう。
※雑俳・笠付類題集(1834)「らしもない・藪の下での御開帳」
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