蘇合香(読み)そこう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

蘇合香
そこう

雅楽の曲名。「そごう」ともいい,「そごうこう」ともいった。唐楽盤渉調 (ばんしきちょう。主音ロ) に属する。があり,6人または4人で舞う。「蘇合香」とは薬草の名で,インドアショーカ王がこれを飲んで重病がなおったのを喜び,育偈という者に作舞させたという。これがに渡り,さらに桓武天皇の延暦年間に遣唐舞生の和邇部島継 (わにべのしまつぐ) が日本に伝えた。舞人は菖蒲甲 (かぶと) という蘇合香の葉をかたどった甲をつける。盤渉調調子,道行,三帖 (さんのじょう) ,四帖,五帖,,急,重吹から成る大規模な曲で,唐楽の4個の大曲の一つ。打楽器にもこの曲特有の奏法があり,リズムやテンポの取り方も変化に富んでいる。

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デジタル大辞泉の解説

そこう〔ソカウ〕【蘇合香】

雅楽。唐楽盤渉(ばんしき)調新楽大曲。舞は六人舞。インドのアショカ王蘇合香(そごうこう)の薬草で大病の平癒したのを喜ぶ曲という。

そごう‐こう〔ソガフカウ〕【×蘇合香】


マンサク科の落葉高木。高さ約10メートル。葉は手のひら状に裂ける。花は小さく、淡緑色。小アジアに産する。
1樹脂を原料とした香料。
そこう(蘇合香)

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世界大百科事典 第2版の解説

そごうこう【蘇合香】

雅楽,管絃舞楽の曲名。〈そこう〉ともいい,略して《蘇合》とも書く。唐楽にふくまれ盤渉(ばんしき)調。六人(あるいは四人)舞の文ノ舞(平舞)。唐楽の四箇(しか)の大曲(《皇麞(おうじよう)》《春鶯囀(しゆんのうでん)》《蘇合香》《万秋楽(まんじゆうらく)》)の一つ。番舞(つがいまい)は《進走禿》(あるいは《古鳥蘇(ことりそ)》《新鳥蘇》)。左方襲(さほうかさね)()装束(ほう)を両肩ぬいで,下に着ている半臂(はんぴ)を見せながら舞う。

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精選版 日本国語大辞典の解説

そごう‐こう ソガフカウ【蘇合香】

[1] 〘名〙
① マンサク科の落葉高木。小アジア地方に産する。高さ一〇メートルに達する。葉は長柄をもち掌状に三~五裂し各裂片の縁に鋸歯(きょし)がある。雌雄同株。淡黄緑色の小さな単性花を球状につける。樹脂を蘇合香(蘇油・蘇合油)といい、疥癬(かいせん)など皮膚病の薬に用いる。〔物品識名(1809)〕
② 香の名。①の樹皮からとった樹脂を香料としたもの。また、①の樹皮から製した膏油。皮膚病の薬として用いる。あるいは、諸種の香草を煎じた汁から製した香料ともいう。蘇油。蘇合。
※法隆寺伽藍縁起并流記資財帳‐天平一九年(747)「蘓合香十二両」
※太平記(14C後)一七「義貞は横笛、義助は箏の笛、維頼は打物にて、蘇合香(ソガウカウ)の三帖、万寿楽の破、繁、絃急管の声、一唱三嘆の調べ融々洩々として」

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世界大百科事典内の蘇合香の言及

【スチレン】より

…スタイレンとも呼ばれ,またスチロールstyrol,ビニルベンゼン,フェニルエチレンなどともいう。天然樹脂である蘇合香(そごうこう)styraxから発見されたのが名称の由来である。特異な芳香のある無色,引火性の液体で,空気中で燃えるとき芳香族化合物特有の黒いすす(煤)を出す。…

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