(読み)バン

デジタル大辞泉 「蛮」の意味・読み・例文・類語

ばん【蛮〔蠻〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]バン(漢) [訓]えびす
中国南方の異民族。広く、未開民族。えびす。「蛮夷ばんい蛮語蛮人南蛮
下品で乱暴なこと。「蛮行蛮声蛮風ばんぷう蛮勇蛮力野蛮

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精選版 日本国語大辞典 「蛮」の意味・読み・例文・類語

ばん【蛮・蕃】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 中国から見て ) 南方の未開種族。南方のえびす。南蛮。化外(けがい)の民。〔書経禹貢
  3. ( 日本から見て ) 外国。また外国人
    1. [初出の実例]「金弼徳蕃」(出典:続日本紀‐文武二年(698)二月壬辰)

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普及版 字通 「蛮」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

(旧字)蠻
25画

[字音] バン・マン
[字訓] えびす・なんばん

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
旧字は蠻に作り、(らん)声。が蠻の初文で、金文には「夏」「方」のようにいう。〔説文〕十三上に「南蠻なり。蛇種」とあり、〔爾雅、釈地〕に「九夷狄七戎六蠻、之れを四と謂ふ」とする。四海とは四(しかい)、これを冥の地とする。金文の〔晋公(てい)〕に「百」の語があり、〔詩、小雅、采〕「蠢爾(しゆんじ)たる蠻(けいばん)」のように、楚の地も古くは蛮と称した。は〔説文〕三上に「亂るるなり。一に曰く、治なり。一に曰く、えざるなり。言絲に從ふ」とし、「呂員切(レン)」によむが、蠻(ばん)の初文であるから、蠻の音でよむべきである。「戎蛮」をまた「戎曼」に作り、曼(まん)に近い声であった。

[訓義]
1. えびす、なんばん。
2. あらい、力でふるまう。
3. 未開。
4. 慢・侮と声近く、あなどる、かろんずる、下婢。

[古辞書の訓]
立〕蠻 エビス・アマツツ

[熟語]
蛮夷蛮裔・蛮煙・蛮音・蛮歌・蛮夏蛮悍蛮圻蛮畿・蛮客蛮徼・蛮蛮鴃・蛮語・蛮荒・蛮・蛮国・蛮子・蛮・蛮・蛮人蛮垂蛮陬・蛮声・蛮船蛮牋蛮氈・蛮俗・蛮態・蛮・蛮地・蛮畜・蛮邸・蛮奴・蛮頭・蛮貊・蛮舶・蛮貉・蛮蛮・蛮布・蛮風・蛮服・蛮方・蛮・蛮勇・蛮里・蛮虜・蛮力・蛮隷
[下接語]
夷蛮・粤蛮・遠蛮・甌蛮・外蛮・群蛮・蛮・紅蛮・山蛮・戎蛮・熟蛮・生蛮・楚蛮・蛮・鎮蛮・南蛮・百蛮・北蛮・野蛮

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