① 頭足類八腕形目に属する軟体動物の総称。体は、胴・頭・腕(足)からなる。胴は一般に頭とみられている部分で、丸い袋状をなし外套膜でおおわれる。腕は八本で、頭部から生えており、いぼ状の吸盤を備える。頭は胴と腕の間にあって、一対の目と漏斗(ろうと)をもつ。イカと同様、墨袋から「すみ」をはき出して外敵の目をくらます。体色はふつう褐色を帯びるが、色素胞の収縮によって体色を変えることができる。マダコ・イイダコ・ミズダコ・テナガダコ・フネダコなど日本近海に約五〇種知られ、日本では水産上重要で、蛸壺などで漁獲し、酢だこ・煮物などにする。イタリア人以外、欧米では悪魔の魚といって食用にしない。古来、大ダコの伝説など説話や俗信が多い。《 季語・夏 》 〔十巻本和名抄(934頃)〕