古代の律令制において,課役(かえき)を免除すること。律令では課役の全部もしくは一部を負担するものを課口(課丁(かてい))とよんだ。課口は一般には良民の成年男子(17歳以上65歳以下)であったが,そのなかでも,皇親と八位以上の者,五位以上の者の子(蔭子(おんし)),中度以上の身体障害者(廃疾(はいしつ)・篤疾(とくしつ))は課役を負担しない不課口とされた。また三位以上の父祖兄弟子孫と五位以上の父子は課役を免除された。初位以下の基本的な身分としては課口である者も,特定の職務等に就いている期間は課役の全部もしくは一部を免除された。例えば舎人,史生,伴部,兵衛,衛士,仕丁,防人,品部,雑戸などは課役を,郡司の主政・主帳,軍団の兵士,里長などは徭役を免除された。
執筆者:吉田 孝
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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