訴訟上の用語としては、刑事訴訟と民事訴訟では意味が異なる。また、国会における証人喚問においても、議院証言法に補佐人についての定めがある。
[内田一郎]
被告人の補助者の一種であり、被告人との身分関係に基づき被告人の利益を保護し、弁護に共働する者をいう。被告人の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族および兄弟姉妹は、審級ごとに、書面による届出をして、いつでも補佐人となることができる。補佐人は被告人の明示した意思に反しない限り、原則として、被告人がすることのできる訴訟行為をすることができる(刑事訴訟法42条)。
[内田一郎]
当事者・法定代理人または訴訟代理人とともに、期日に出頭して口頭の陳述をなし、その者を補助する者をいう(民事訴訟法60条1項)。旧民事訴訟法第88条では「輔佐人」と表記していた。補佐人となりうる者の資格については、なんの制限もなく、だれでも裁判所の許可を得て補佐人になれるが、その許可は、裁判所において、いつでも自由に取り消すことができる(同法60条2項)。補佐人は、当事者またはその代理人とともに期日に出頭した場合にだけ訴訟行為をすることができる。そして補佐人の陳述は、本人たる当事者、または代理人が取り消し、または更正しない場合に限り、直接当事者本人に対して、その効力を生ずる(同3項)。
[内田武吉・加藤哲夫]
国会で喚問される証人の人権保護を目的として、1988年(昭和63)の議院証言法改正により、証人は、各議院の議長もしくは委員長または両議院の合同審査会の会長の許可を得て、補佐人を選任することができるようになった。補佐人は、「弁護士のうちから選任するようにするものとする」とされ、証人の求めに応じ、宣誓および証言の拒絶に関する事項に関し、助言することができる(議院証言法1条の4)。
[編集部]
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