西宮神社(読み)ニシノミヤジンジャ

デジタル大辞泉 「西宮神社」の意味・読み・例文・類語

にしのみや‐じんじゃ【西宮神社】

西宮市にある神社。主祭神は蛭子ひるこ大神で、他に三神を配祀はいし。全国の恵比須えびす社の総本社。中世以降、漁業者商業者の信仰があつい。えびす神社。西宮の戎さん。

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共同通信ニュース用語解説 「西宮神社」の解説

西宮神社

商売繁盛の神様「えべっさん」の総本社で本殿は国宝。毎年1月9~11日の「十日えびす」は関西一円から集まった参拝者でにぎわう。福男選びで開門する国の重要文化財「表大門」は今夏、阪神大震災による損壊から修復して以来、25年ぶりに改修した。福男にはえべっさんの木彫り像や法被、米俵を授与する。女性も参加できるが、これまで“福女”は誕生していない。

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精選版 日本国語大辞典 「西宮神社」の意味・読み・例文・類語

にしのみや‐じんじゃ【西宮神社】

  1. 兵庫県西宮市社家町にある神社。旧県社。祭神は、蛭児(ひるこ)大神(西宮大神)、天照大神(あまてらすおおみかみ)、大国主(おおくにぬし)大神、須佐之男(すさのお)大神。鎌倉時代から、えびす神の信仰によって繁栄。全国えびす神の総本社。一月九~一一日の十日戎(えびす)は著名。夷(えびす)社。戎宮。西宮。西宮戎。西宮のえべっさん。

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日本歴史地名大系 「西宮神社」の解説

西宮神社
にしのみやじんじや

[現在地名]西宮市社家町

国道四三号の北、阪神西宮駅の南西に鎮座。第一殿に主神の西宮大神(蛭児神)、第二殿に天照大神・大国主神、第三殿に須佐之男神を祀る。通称西宮えびす。全国戎社の本社とされ、商売繁盛の神として信仰を集める。旧県社。平安時代後期頃より、現社地に広田ひろた神社の別宮なん宮があり浜の南宮(梁塵秘抄)とよばれ(→広田神社、その境内の一小社として戎社が祀られ、戎三郎えびすさぶろう殿ともいわれた。伝えによると鳴尾なるおの漁師が網にかかった神像を海に捨てたが、翌日、捨てたはずの像が再び網にかかったため家に持帰って祀った。その夜の夢に戎神の託宣があり、神意によって鎮祭したのが現在の戎社であるという。「エビス信仰」はもともと豊漁をもたらす神として漁労民のあいだで信じられてきた民間信仰に始まるといわれ、広田神社の神領であった御前おまえの浜も漁民の集住地であった。御前の浜の漁民は広田社に属して漁業権を保証されていたが、彼らを直接に管掌したのが別宮の南宮であったと考えられている。その南宮境内に彼らの信仰する戎神が鎮祭された時期については明らかでなく、「伊呂波字類抄」には広田神社の末社に「夷沙門ヱビス」がみえ、「続左丞抄」に寿永三年(一一八四)二月一〇日、広田末社戎宮拝殿で参籠の巫女が死亡したことがみえる。承安二年(一一七二)の広田社歌合では広田社の社僧とみられる安心が「世をすくふえひすの神の誓にはもらさし物を数ならぬみも」と詠んでいる(広田社歌合)。また「仲資王記」元久元年(一二〇四)八月一四日条に「今夜戎三郎両社遷宮」とあり、「伊呂波字類抄」には広田社末社に「三郎殿不動明王」もみえるように、戎社と三郎殿は当初は別の社であったようである。のちに戎(夷)三郎殿として一社にまとめられるが、その経緯や時期についても明らかではない。

建久五年(一一九四)三月四日、摂津住吉社造営料負担に反対した広田社神官や神領住民らが、神崎かんざき(現尼崎市)まで広田社神輿を動座させ、課税免除が決定される七月二六日までの間、「広田末社戎宮」がしきりに鳴動したという(仲資王記)。当時、南宮境内「西宮最中」には広田社支配の市があった(延慶二年八月日「広田社神官供僧等言上状」温故雑帖)。貞和二年(一三四六)には神崎に住む特売商人らが、広田社領内の供祭釣船から卸された魚貝・鰯を売ったにもかかわらず、一人一荷別三銭の上納物を広田社に納付しなかったため、徴収に来た広田社神人と参詣群集の眼前で紛争を起こしている(同年一〇月日「広田社神官等陳状案」広田社旧記)


西宮神社
にしみやじんじや

[現在地名]阿南市富岡町 西仲町

桑野くわの川の下流右岸、富岡とみおか新橋のたもとに鎮座する。主祭神は事代主命。旧村社。地元では三石みついし神社とよばれる。三石神社・八幡神社・金刀比羅神社などが配祀されている。慶長年間(一五九六―一六一五)富岡町の豪商瑞祥屋源左衛門が商業の神として信仰していた恵比寿神(事代主命)を祀り創建、富岡町の守護神としたと伝える。桑野川がしばしば氾濫するので、当社を川縁に造営することで堤防の安全を図り、町の安全と発展を祈願したという。「阿波志」には蛭子祠と記され、市場蛭子と称された。創建後火災で焼失したが、延享年間(一七四四―四八)重造されたという。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「西宮神社」の意味・わかりやすい解説

西宮神社
にしのみやじんじゃ

兵庫県西宮市社家町に鎮座。西宮大神を主神に、天照大御神(あまてらすおおみかみ)、大国主(おおくにぬし)大神、須佐之男(すさのお)大神を祀(まつ)る。当社は平安中期以降の歴史文献にみえ、1180年(治承4)高倉(たかくら)上皇厳島(いつくしま)行幸のとき奉幣があり、後奈良(ごなら)天皇の寄進があるほか、歴代の神祇伯(じんぎはく)がかならず参詣(さんけい)した。1194年(建久5)、1419年(応永26)には社頭鳴動の奇瑞(きずい)のあったことが伝えられている。ことに中世以降は福徳円満のえびす神として大衆の信仰を受け、大漁満足、海上安全、商売繁盛に霊験ありとして全国に知れわたった。これは、当社の社人がえびす神の人形操りとして全国各地を巡回して、その霊験を広めたことによる。「西宮のえびすさん」として親しまれ、全国に当社の分霊を奉じて社となすものが多い。旧県社。例祭は9月22日であるが、1月10日前後3日の十日戎(とおかえびす)祭は多数の参詣(さんけい)人でにぎわう。このほか6月14日のおこしや祭、11月20日の誓文(せいもん)祭がある。表大門(桃山時代)、大練塀(おおねりべい)(室町時代)はともに国の重要文化財に指定されている。

[加藤隆久]

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デジタル大辞泉プラス 「西宮神社」の解説

西宮神社

兵庫県西宮市にある神社。創祀不詳。祭神は西宮大神(蛭児大神(ひるこのおおかみ))、天照大御神(あまてらすおおみかみ)、大国主(おおくにぬし)大神、須佐之男(すさのお)大神。全国約3500社のえびす神社の総本社。地元では「西宮のえべっさん」とも呼ばれる。表大門、大練塀は国の重要文化財に指定。1月の十日えびすの際に行われる「開門神事福男選び」が有名。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「西宮神社」の意味・わかりやすい解説

西宮神社
にしのみやじんじゃ

兵庫県西宮市社家町に鎮座する元県社。夷 (えびす) 社,戎 (えびす) 宮,西宮ともいう。祭神はヒルゴノオオカミ (西宮大神) ,アマテラスオオミカミ,スサノオノミコト,オオクニヌシノミコト。例祭9月 22日。古来,航海安全と福の神,えびすの総本社として名高い。

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世界大百科事典(旧版)内の西宮神社の言及

【えびす(夷∥恵比須)】より

…また,漂流する水死体を拾うと,豊漁に恵まれるといった伝承があって,流れ仏をえびす様と呼ぶこともあった。 えびすの神像は,釣竿を持ち,脇に釣り上げた魚を抱えた姿であるが,このえびすの本社は,兵庫県西宮市の西宮神社(夷社)とされている。西宮の夷社は夷三郎とも呼ばれ,天照大神をまつる広田社の摂社であった。…

【西宮[市]】より

…市域は六甲山地によって南北に二分されるが,市街地は海岸の平野部と六甲山地南東麓の台地部に発達し,東海道本線をはじめ阪神本線,阪急神戸本線および両私鉄の支線や,名神高速道路,阪神高速道路,国道2号,43号,171号線など主要幹線も南部に集中している。 西宮は,はじめ西宮神社の門前町として発達した。江戸中期に灘の酒で知られる清酒の全国的産地となり,現在ではビール,ハム,乳製品などが加わって食料品工業都市となった。…

※「西宮神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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