もっとも普通の銀の二次鉱物の一つ。日本では、熱水鉱脈型の金・銀鉱床の酸化帯中に、硫化物などとは集合せずに石英脈中、あるいは珪(けい)化作用などを受けて変質した母岩中にみられる。光線に当たるとただちに変色して暗灰色から黒色になる。成因的に初生鉱物という解釈もあり、これは銀を主体とする可溶性銀錯塩の分解によって沈殿したとする見方である。つねに石英と共存することから、可溶性銀化合物が石英中の液体あるいは固体ハロゲン化合物包有物中の塩素と結合したという成因説もある。新潟県佐渡鉱山産のものは少量の臭素を含む。日本で唯一の臭素の鉱物である。古い英名はcerargyrite。
[加藤 昭]
角銀鉱
英名 chlorargyrite
化学式 AgCl
少量成分 Br
結晶系 等軸
硬度 2.5
比重 5.57
色 無,灰
光沢 樹脂
条痕 白
劈開 無
(「劈開」の項目を参照)
その他 可切性有。粉末化しない。光線で暗色化
「ホーン・シルバー」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…この現象は古くから経験的に知られており,飲料水の腐敗防止に銀製容器が,また負傷者の手当に銀箔が使用されていた。【水町 邦彦】
[製法]
銀の鉱物は輝銀鉱Ag2S,角銀鉱AgClが主であるが,金との合金(エレクトラムelectrum)の自然銀としても産出する。しかし銀を採取できる銀鉱石はまれで,金の鉱石または銅,鉛,亜鉛の硫化物鉱石中に含有されるものから,これら金属の製錬の際に副産される。…
…銀を数%以上含む鉱物は約60種知られている。重要な銀鉱物としては,自然銀native silver Ag,輝銀鉱argentite Ag2S,角銀鉱cerargyrite AgCl,ナウマン鉱naumannite Ag2Se,安銀鉱dyscrasite Ag3Sb,ジャルパ鉱jalpaite Ag3CuS2,硫ゲルマン銀鉱argyrodite Ag8GeS6,硫シャク(錫)銀鉱canfieldite(別名,カンフィールド鉱) Ag8SnS6,ゼイ(脆)銀鉱stephanite(別名,ゼイ安銀鉱) Ag5SbS4,濃紅銀鉱pyrargyrite Ag3SbS3,淡紅銀鉱proustite Ag3AsS3,雑銀鉱polybasite(別名,輝安銅銀鉱) (Ag,Cu)16Sb2S11,ヒ(砒)雑銀鉱arsenpolybasite (Ag,Cu)16As2S11,ヘッス鉱hessite(別名,ヘッサイト,テルル銀鉱)Ag2Teなどがある。このほか四面銅鉱や方鉛鉱には銀を含むものがあり,鉱床内に多産する場合にはシルバーキャリアとして重要視される。…
※「角銀鉱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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